皆さんこんにちは。 株式会社コンセントの辻勝利です。 本日はスクリーンリーダーでのTeamsの利用 ということでお話をさせていただきます。 よろしくお願いします。 簡単に自己紹介をさせていただきます。 私は先天性の全盲の視覚障碍者です。 30年ほどスクリーンリーダーを使って、 日常生活ですとか仕事などを行っております。 2019年からコンセントのインクルーシブデザインチームに 入りまして、仕事をしております。 私が所属しているコンセントにおける、 Teamsの役割について簡単にお話しします。 Teamsは私たちの会社で主要なコミュニケーションツール として、使用しています。 例えば、メンバー間のチャットですとか、 チーム間のチャット及びオンライン会議 そして、全社向けの情報の集約、 お客様とのオンライン会議など 様々な場面で使用しております。 それでは、実際にTeamsをスクリーンリーダーで どのように操作するのか、 いくつかデモを使って、ご紹介していきます。 まずは、基本的なところからご紹介します。 メッセージのやりとりをどのように行っているのかを デモでご紹介します。 (PC音声)英語の入力、新しいメッセージを入力します。 ここで (PC音声)全角キー こんにちは、と入力します。 (PC音声)konnitiwa、ピリオド。 (PC音声)こんにちは。 Enterを押して、送信します。 (PC音声)送信中。 (PC音声)Shimizuさんからのメッセージがあります。 (PC音声)こんにちは。 相手から返信が来ました。 チャットを開いたままの状態であれば、 すぐにメッセージが読み上げられます。 (PC音声)警告、Shimizu、何かありましたか? チャットから離れているときは、このように メッセージが届いたことがアラートで通知されます。 メッセージのやり取りでは入力した内容を 確認できることは、もちろんなんですけれども 返信があったときには内容を読み上げるだけでなく、 もし違う画面で作業をしていたとしても 通知を受信することができるので、 メッセージが届いたことに気がつくことができます。 それでは次に、メッセージのリアクションについて 紹介します。 メッセージを受け取ったときに 返事を書くまでもないことであっても、 例えば、このメッセージを読んだよとか共感したよって いうような状態を表すときに このリアクションを使用します。 では、実際にどんなリアクションがあるのか どうやってスクリーンリーダーで その内容を確認しているのかもデモでご覧ください。 メッセージにリアクションすることで、 そのメッセージを読んだことや、 共感したことなどを表現することができます。 先ほどのTanakaさんのメッセージを使って、 リアクションをしてみたいと思います。 Enterキーを押して、 (PC音声)いいね。 リアクションのメニューを開きます。 リアクションの種類は6種類ありますが、 実際に読んでみたいと思います。 今1つ目の「いいね」が選択されていて、 右矢印を押すと (PC音声)素敵、メニュー項目 (PC音声)笑い、メニュー項目 (PC音声)びっくり、メニュー項目 (PC音声)悲しい、メニュー項目 (PC音声)怒り、メニュー項目 このようにリアクションが読み上げられます。 (PC音声)いいね そしてもう1回、右矢印キーを押すと 「いいね」に戻ってきます。 読んだことを表現したいので、 今回は「いいね」を選択します。 (PC音声)いいね 一度行ったリアクションは、 取り消すこともできます。 (PC音声)素敵 現在の場合は (PC音声)取り消す、いいね 「いいね」が選択されている状態なので、 「取り消す、いいね」というふうに読み上げます。 ここでメッセージのリアクションを 変更することもできます。 例えば (PC音声)素敵 素敵に変更してみます。 Enterを押します。 (PC音声)素敵 これでリアクションが、 「いいね」から「素敵」に変更されました。 6つのリアクションを用途に応じて使用しているんですが それぞれのリアクションをつけた状態、 そして、取り消した状態など スクリーンリーダーを使って、 ちゃんと読み上げることができます。 では、次に共同作業について紹介します。 共同作業はオンラインで接続した相手と 同じファイルを開いて、作業するときに使用します。 これもどのような流れになるのかデモでご覧ください。 (Tanaka)お疲れ様です、Tanakaです。 お疲れ様です。 じゃあ共同編集をお願いします。 (Tanaka)ファイルを開きます。お待ちください。 はい。 (PC音声)出張経費の記録、 Tanakaさんがこのブックを開きました。 同じブックを開いていただいたことが確認できました。 (PC音声)選択されています、編集可能。 (Tanaka)この日は名古屋だった… あ、そうでしたね。 はい、名古屋に変更します。 (PC音声)半角キー、半角キー。 (PC音声)テーブルの終了。 F2キーを押して、セルを編集したいと思います。 品川を削除して。 (PC音声)全角キー。 名古屋と入力して、確定します。 (Tanaka)はい、大丈夫です。 これでセルの内容を修正して、 相手にも修正内容を確認してもらうことができました。 ご覧いただいたように音声会議で、 他のメンバーに接続して 同じExcelファイルを開いて、共同で作業をしました。 Excelファイルの中で修正が必要な箇所を 口頭で指示してもらって、 その場所にカーソルを移動して、 内容を編集するといったような作業をしております。 修正結果は相手にもすぐに反映されますので、 ちゃんと修正ができたということも 確認してもらいながら、作業を完了することができます。 このほかにも私が所属しているチームでは、 会議の議事録をチームで編集して 同じ議事録を見ながら、 みんなで会議を進めていたりします。 ここまでTeamsを使ったデモを いくつか見ていただきましたけれども、 社内システムをデジタル化するメリットについて、 お話していきたいと思います。 Teamsはもちろん デジタル化されたシステムなんですけれども、 こういうシステムを使うことのメリット3つ、 ご紹介します。 例えば、紙による申請が難しい視覚障碍者が 独力で申請作業を完了できる可能性がある。 これが1番目のメリットです。 そして、システムを連携させて、 1つのデータを活用できる可能性がある。 3つ目が、利用者自身が自分に合った方法で、 申請を完了できる可能性がある。 このように社内システムをデジタル化することによって 様々なメリットがあると考えられます。 一方で、現状の社内システムがどうなっているのか という話をここでしたいと思います。 デジタル化した社内システムの現状 ということでお話します。 まず申請が紙でないことだけに 重きが置かれているのが現状です。 例えば、申請自体は コンピュータを使ってできるんですけれども、 画面上には紙の申請書類のような フォーマットが表示されて、 そのフォーマットを埋めていくような申請システム というのは今でもたくさんあると思います。 これはスクリーンリーダーを使って、 使いづらいシステムの場合もありまして、 現状の社内システムでは、 問題の1つではないかなと思います。 次に、アプリケーション間の相互連携が 考慮されていない。 社内では様々なシステムが動いているんですけれども、 それぞれのシステムでデータの互換性がないために 同じようなデータを再利用できないといったような問題も あったりします。 自分に合った方法で業務システムを利用できるわけ ではないという問題もあります。 これは、例えばこのシステムにデータを入力するには 専用のアプリケーションを使わなければならないとか そのアプリケーションがスクリーンリーダーで うまく操作できなかったりすると 私のような視覚障碍者は、 申請を行うことができなかったりとか 作業を完了することができなかったり という問題に直面します。 そして、社内システムの使用方法に一貫性がない というのも問題としてあります。 例えば、会議予約は こういう操作方法で操作するんだけれども、 申請のほうは操作方法が複雑で分かりづらいとかですね。 あとは、バージョンアップで操作方法が がらっと変わってしまって、 スクリーンリーダーで操作しづらくなる とかいったようなことが起こります。 現状の社内システムには 様々な問題があるんですけれども、 Teamsを使えば、 このような問題を解決できる可能性もあります。 1つの方法として視覚障碍者のコンピューターを リモート制御することで、 同僚の方がたとえ遠隔地にいても 問題を解決できる可能性があります。 その一例をPowerPointで、写真のサイズを変更する というデモを使ってご紹介します。 Ohshimaさん、お疲れ様です。 (Ohshima)お疲れ様です。 すみません、今プレゼンテーションの資料を 作っているんですけれども、 写真を入れたところ、 その配置がちょっとよく分かんなくて、画面上で、 レイアウトの調整などをお願いしたいんですけれども。 (Ohshima)はい、わかりました。 じゃあ制御を要求しますね。 はい、お願いします。 (Ohshima)リクエストしました。 (PC音声)許可ボタン、信頼できるユーザーにのみ 制御を許可してください。 許可します。 (PC音声)左端から距離14.9ポイント。 画面上でカーソルを動かすと左端から どのくらいという距離は読めるんですけれども ちょっと画面上で写真がどういう状況かというのが 想像がつかなくて、直していただきたいんです。 (Ohshima)今すごく小さいと思うので、 大きくさせてもらっちゃいますね。 ありがとうございます。 (Ohshima)辻さんの写真、大きくできたので これでいいと思います。 助かります。 ありがとうございました。 このように共有した画面を制御することで 遠隔地にいる同僚の方が、視覚障碍者が 単独では完了できないような作業を サポートすることもできます。 同じような事例は、例えば 画面上に表示されているパズルを完成させなければ 認証を通過できないようなシステムがある場合、 視覚障碍者は 単独で作業をすることができないんですけれども こういう場合でも遠隔地にいる同僚の方が 画面の制御を使って 視覚障碍者のユーザーのコンピューターを操作して、 パズルを完成させることもできます。 このように社内システムには 様々な問題があるんですけれども Teamsを使うことで視覚障碍者が同僚の人たちと 一緒に仕事を進めることもできるという点で Teamsは、アクセシビリティ面で 素晴らしいツールだと思います。 最後に参考資料としていくつか紹介させてください。 企業でMicrosoft Teamsを使う視覚障碍者の事例 ということで、まずはページが1つございます。 次に、動画なんですけれども、Teamsを音声読み上げで 利用する方法について解説している動画がございます。 そして、3つ目なんですけれども 音声とキーボード操作による、Teamsの基本的な操作に ついてのガイドも提供されています。 これらの資料を活用することによって 視覚障碍者の方々が同僚の皆さんと一緒に Teamsを活用して仕事を進められる可能性が ありますので、ぜひご参照ください。 ご視聴ありがとうございました。