こんにちは。 日本マイクロソフトでヘルスキーパーをしています 岡部政志と申します。 どうぞよろしくお願いします。 私は現在、視覚障碍があり、全盲です。 また、盲導犬使用者です。 入社した当時は、実はある程度視力がありました。 パソコンなどは画面を大きくすると 文字を見ながら操作することもできました。 現在は年齢とともにだんだん視力が落ちてきまして、 7年ほど前から全盲になっています。 現在はもうパソコンは 全く画面を見ないで操作する状態で、 画面を音声化するソフトで読み上げをして 操作をしています。 また、通勤は盲導犬を利用して通勤をしています。 業務内容としては、Health Care Roomで マッサージ業務を中心に仕事をしています。 Health Care Roomは福利厚生の一環として、 マッサージ業務を提供しています。 1回40分のマッサージを社員の方に提供しています。 おおよそ、月800人ぐらいの方が利用されています。 Health Care Roomは、全員視覚障碍者の メンバーで運営しています。 現在8名のメンバーが在籍しています。 マッサージ業務以外でも、年間コストの管理や備品購入。 アンケートメールの送信や分析。 また、新入社員へのプレゼンテーション、 ミーティングなどを行っています。 ここからは、Seeing AIに関して 説明していきたいと思います。 Seeing AIは視覚障碍者の目の代わりをしてくれる アプリになっています。 多言語に対応していて、視覚障碍者の1人でできることを サポートしてくれるアプリになっています。 ここから機能について 幾つか説明していきたいと思います。 1つ目は短いテキスト。 この機能は、画面に映った文字情報を すぐに読み上げてくれる機能になります。 写真撮影などをしなくても すぐに読み上げてくれるので、 とても便利な機能になっています。 次の機能はドキュメント。 この機能は、書類の文字情報を 写真撮影をすることによって、 その中に入っているテキスト文書全体を 読み上げてくれる機能になります。 写真撮影をする際は、しっかりと書類が 画面に入っているかもガイドしてくれるので、 とても視覚障碍者には便利な機能です。 また、テキスト内容はフォントなども確認がとれます。 先ほど説明した短いテキストで 複数ある書類から自分に必要な書類を探し出して、 さらにこのドキュメントの機能を使って 詳細な情報を撮影して、テキスト化することによって とても視覚障碍者に使いやすいソフトになっています。 次に紹介するのは通貨。 この機能は、スマートフォンにお札をかざすと 金額を読み上げてくれる機能になります。 日本のお札は、種類によって大きさや 点字マークがついていますが 視覚障碍者でもこれを手で触って確認するのは、 とても難しい作業になっています。 この機能を使えば、簡単にお札を確認できるので、 とても視覚障碍者に便利な機能になっています。 次の機能はシーンです。 この機能は、風景をカメラで撮影すると AIが自動的に判断して、 内容を推測して読み上げてくれる機能になります。 視覚障碍者にとっては、目の前に何があるのか、 どんな風景が広がっているのかを確認できるので、 またこれもとても便利な機能です。 次の機能は、最新のiPhone 12 Pro、 iPhone 12 Pro Maxなど 最新の機種でないと操作できませんが、 世界という機能があります。 この機能は、その場所に何があるかを確認して そこまでの距離を計測して、 その近くに来ると音声でお知らせしてくれる 機能になっています。 私は業務でもSeeing AIを利用しています。 私のパソコンは、音声ソフトを使って 音声で読ませて作業をしていますが 何らかの原因で 音声が出なくなってしまうことがあります。 そんなときにiPhoneを パソコンの画面にかざすことによって、 エラーメッセージなどを読み上げてくれます。 また、郵便物や書類などを 今までは誰かに見てもらったり、 読んでもらったりしなくてはならなかったことが 多かったのですが、 今、このSeeing AIを使うことによって、 自分で確認できるようになりました。 このリモート環境下の中仕事をしていると 周りに人がいないことが多いです。 そんな際にこのSeeing AIがあると とても安心して仕事ができます。 また、この短いテキストは、オフラインで インターネットに接続しなくても 使える機能になっています。 携帯電話の使用に制限がかかることの多い 企業内での作業には適していると思われます。 実は、Seeing AIの各機能は、 他社製品でも代用できる機能があります。 ただ、Seeing AIでは1つのアプリで複数の作業を 簡単にできるところが特徴となっています。 代用できる機能が使えるものに関しては デバイス自体が高額であったり、 アプリ自体のライセンス料や 使用料がかかることが多いようです。 Seeing AIは、スマートフォンさえあれば無料で 簡単に利用できるところが特徴と言えるでしょう。 日本マイクロソフトは、社内で働く人の社員に対して アクセシビリティに関してとても配慮された会社です。 Accommodation Programという制度があります。 障碍のある社員が効率的に仕事を進めていくために 物品の購入やサポートを一緒に考え、 費用を会社が負担してくれます。 Health Care Roomでは拡大読書器、 画面音声化ソフト、キーボード、モニター、マウスなどを 購入していただいています。 また、マッサージ予約システムも弱視のメンバーでも 全盲のメンバーでも操作できるように制作された オリジナルのシステムを作っていただいています。 先ほども話で出ましたように、 Teamsは視覚障碍者でも使えるアプリです。 普段の情報交換やミーティングなどで 日々利用しています。 私自身、現在全盲ですが、 必要な備品をそろえていただき、 また、業務で必要なシステムを 視覚障碍者に対応したものにしてもらっているため マッサージ業務もでき、また、Health Care Room 全体の運用も全て任せていただいているという とても働きがいのある仕事で、仕事ができています。 だからこそマイクロソフトで 長い間、業務に携わることができています。 社員の方が急な病気やけがで 障碍を持つこともあるでしょうし、 また、私のように障碍が悪化してしまうケースも 多いでしょう。 そういう場合でも、その人に合った適切な配慮や 障碍を持つ方の仕事のやる気といった点を 企業の方には考えていただきたいと思います。 私からは以上になります。 ありがとうございました。