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やりたいこと、はじめてみよう

写真撮影のために応援し、ポーズをとる探検学舎ボッジ協会のメンバー

探究学舎 親子でボード ゲームを作る会

1.「ボード ゲーム、作ってみよう!」

探究学舎 親子でボード ゲームを作る会は、モダン PC を使って親子でボード ゲームを作ることにチャレンジしています。
全 3 回の記事でその姿を追います。

頭の中にあふれるアイデアを形にしてみよう

とある週末の午後。日本マイクロソフトの品川オフィスに、思い思いのゲームを携えて集まった 7 人の小学生とその保護者たち。住んでいるところも、趣味や好きなゲームもバラバラの子どもたちに共通するのは、東京都内にある“興味開発型の学び舎”「探究学舎」に通っていることです。

「親子でボード ゲームを作る会」は、探究学舎に通う子どもたち親子の有志が集まって結成されました。会発足のきっかけを、発起人である父親のひとりはこう語ります。

「探究学舎に通う親子有志で、ボードゲームをとことん楽しみたい仲間が集まり 2019 年に『探究ボドゲクラブ』という会がはじまりました。ある日、子どもたちが手づくりのカード ゲームを作っているのを見て、遊ぶだけじゃなく頭の中のアイデアを形にすることはのは楽しいだろうなと思っていました」

「『ボードゲームを遊ぶだけでなく、子供たちの力でつくってみるきっかけを作りたい』。そんな気持ちで『探究ボドゲクラブ』の有志に声をかけて、親子でボード ゲームを作るワークショップを開くことにしました」

ボード ゲームはたのしい。 だったら、自分たちでオリジナルのゲームをつくろう。

株式会社ウサギ代表取締役でおもちゃクリエーターの高橋晋平さんとワークショップの様子

「たのしい」を、自分たちの手で作るには

「作る」と言っても、ただ漠然とカードみたいなものを書いてみたり、一人でも作れるすごろくのようなものを書いて終わりにはしたくない。

そう考えた「ボドゲ会」は、親と子どもたちみんなで「物事を考える、決める、作る」ために、どのような手順が必要なのか? 独りよがりではなく、みんなで考える楽しさとは何か? を感じられるワークショップにしようと思っていました。

そんな悩みを解決するため、第一日目のワークショップにスペシャル ゲストとして、株式会社ウサギ代表取締役でおもちゃクリエーターの高橋晋平さんをお招きすることにしました。

前職の株式会社バンダイ時代に数々のヒットを飛ばした高橋さんからは「ボードゲームの作り方」と題して、「ゲーム作りのプロセス」を体験を交えて学んでいきます。

まずは、高橋さんが過去に手がけた 4 つのゲームを紹介。高橋さんからの「この4つのゲームの中で一番売れたゲームは何か?その理由は?」という問いに対して、親子みんなで、積極的に声に出して答えていきます。

高橋さんから明かされたのは、「今回のワークショップでは、売れる・売れないは考えなくていい。とにかくおもしろいゲームをつくることをめざそう!」というメッセージでした。高橋さんのレクチャーは続きます。

ゲーム作り ワークショップの様子 パート 1: 活動をしている子供たちのグループ

ゲーム作りにも必要な「起承転結」

この日のゲーム作りは、高橋さんが子どもたちにも分かりやすく手順を感じてもらうために、「小説や映画と同じように、ゲーム作りにも起承転結が大切だ」ということから始まりました。ゲームづくりを起承転結で考えてみると、今までただ遊んでいたボード ゲームが、どのようにして考えられて、作られているのかがが分かってきます。

起 ゲーム全体のテーマを決める
承 基本ルールをつくる
転 会話が盛り上がるしかけを盛り込む
結 ルールに変なところがないか、おもしろいかどうかをチェックする

この順番でゲーム作りを進めていくにあたって、特に力を入れるべきなのは「結」にあたるテスト プレイだという高橋さん。高橋さんは、つくるときの“頑張り”を 100%で分けるなら、「起 (テーマ):頑張り度 10%」、「承 (ルール):頑張り度 20%」、「転 (会話の仕掛け):頑張り度 30%」、「結 (テスト プレイ):頑張り度 40%」」だと説明します。

頑張るべきはてっきりテーマやルールだと思っていた子どもたちにとって、高橋さんの「“頑張り度”の半分くらいは、テスト プレイに費やそう」という言葉は大きな発見でした。

ワークショップでは、この起承転結を実際に体験するために、テーマの発想を広げる「アイデアしりとりゲーム」にもチャレンジしました。

「アイデアしりとりゲーム」は、しりとりで出た言葉から自由にアイデアを出す発想法。例えば、すいかなら「すいかわりゲーム」。ドアなら「世界中ワープ ゲーム」のように、しりとりで出た言葉から、どんなテーマが産まれるか? そのテーマから想像できるストーリーや、ゲームをプレイするとどんな会話が生まれるのか? 頭の中に浮かんだ考えを次々と声に出していきます。

ゲームづくりには、こうしたコミュニケーションこそが大事だというのが、高橋さんの考えなのです。

ゲーム作り ワークショップの様子 パート 2: 活動をしている子供たちのグループ

モダン PC と、子どもたちの想像力

また、この日のワーク ショップでは、7 組の親子それぞれが持参した“自分の好きなゲーム”についての会話も盛り上がりを見せました。子どもたちそれぞれがどんなゲームを好きで、その理由は何なのか。そして、それに対して自分はどう思うのかを語り合います。

さらに終盤には、高橋さんから「『お寿司ゲーム』をつくる」というテーマが与えられ、与えられた制限時間内で制作に取り組みます。より実践的に、ボード ゲームのつくり方を学んでいきました。

最後に、それぞれの発表を聞きながら、実際に「お寿司ゲーム」を テスト  プレイ。「テスト プレイがなによりも重要」だという高橋さんの言葉に従ってじっくり取り組むなかで、ほかの親子が制作したそれぞれのゲームに、毎回「面白いね」という声が聞こえてきます。

でき上がったゲームは、ルールを決める“ルール リーダー”と“サブ リーダー”がプレイして、少しずつテスト プレイの人数を増やしながら完成に近づけていきます。

何度もプレイすることで、より面白いゲームが生まれる。その途中のコミュニケーションも、きっと楽しいはず。「ボドゲ会」のプロジェクトは、この日のワークショップを含め全 5 回のワークを予定しています。これから制作するゲームのテーマをみんなで決め、ルール リーダーが Word や PowerPoint で資料にまとめます。その後のワークでは、テスト プレイを行う予定です。

果たして、どんなボード ゲームができ上がるのか。そして、そのときモダン PC は子どもたちの想像力をかたちにするために、どんな力を発揮してくれるのか? 次回のワークショップの様子もお届けします。

やりたいこと、はじめてみた私たち

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