Trace Id is missing

やりたいこと、はじめてみよう

飯田千有は座ってスタイラスを使って画面に絵を描いています

大学生・飯田千有里さん

3. 「やろうと思えばできる。モダン PC は、そう実感させてくれた」

大学生で「トレキャ」メンバーの飯田さんは、モダン PC を使って動画制作にチャレンジしています。
全 3 回の記事でその姿を追います。

パソコンに頼る毎日。だからこそ必要な「違い」。

この連載の 1 回目では、昨年の春、大学に入学したときに手に入れたノートパソコンについて語ってくれた飯田千有里さん。この春、大学 2 年生になった彼女が直面したのは、世界的な感染症の拡大に対して大学側がとった「学内閉鎖」という措置でした。

キャンパスへの立ち入りができないのはもちろん、授業はすべて遠隔で行われることになり、一人暮らしの部屋からも出られない状況が続きました。

「今も授業はすべてオンラインです。私は教職課程の講義をとっているのですが、実技が含まれる授業を一人暮らしの部屋で受けるのは、やっぱり難しいですよね。理科の実験もできないし、体育の授業では動きやすい格好になってパソコンの前で体を動かしています」

数か月前とは大きく変わった、毎日の生活。講義に出席するかわりに提出するレポートの数が増え、しかしながら参考文献にあたろうとしても図書館にも行けません。

学ぼうとする思いと、それを許さない現実のあまりのギャップを目の当たりにし、1 年間の休学を決めた友人もいるといいます。

「私は入学してから 1 年間、“普通”の大学生活を送れていたから、まだマシな方です。この 4 月から大学に通い始めることになった新入生は、この状況に本当に困っていると思います。パソコンを持っていなかった学生もいますし」

幸いにも、飯田さんが通う大学は、学生へのパソコン貸与を実施しています。とはいえ、すべての学生たちが満足いく性能を手に入れられているとは限りません。

「このパソコンが手元にあった私は、恵まれていますよね。オンライン授業を受けるのにもサークル活動のためのビデオ会議をするのにも、必要なときにすぐに立ち上がって十分なパフォーマンスを発揮してくれますから」

「自分がどこまでできるかがわかった」。だから、「あとは、やるだけ」。そう思えたのが、この半年間で得られたいちばんの収穫かもしれません。

アニメのキャラクターがスタイラスを使ってテーブルに描かれている

これまでとは違う毎日のなかで生まれたもの。

この期間を毎日、一人暮らしの部屋で過ごしていた飯田さんの生活は、パソコンを中心にしたものに変わりました。

授業を受ける一方、SVOD でドラマを観て、所属するダンスサークルのための動画を編集。新入生を迎え入れる 4 月は、オンラインでの「新歓」活動にいそしみました。

「実際に口に出してしゃべることは、少なくなったかもしれません。でも、SNS での友人の投稿に対して、以前よりちゃんと反応するようになった気もします。新歓では、リアルでは一度も会ったことのない新入生と、オンライン歓迎会も開きました。ほんの少し前まで、ネットを通して知り合った人とは実名で話しちゃいけない”なんて言われていたのに、まったく変わりましたよね」

直接向かい合って話すよりも、むしろオンライン上で送り合うメッセージが、これまで当たり前のようにしていたコミュニケーションが断たれた今、彼女たちを勇気づける力をもっているのかもしれません。

ダンスサークルがこれまで発表の舞台にしていた大会も、次にいつ開催できるか見通しは立っていません。それでも、来るべき機会に備え、メンバーはパソコンのカメラの前に集まって踊る曲を決め、振り付けを教え合い、練習しています。

自身が主宰メンバーのひとりである放送サークルでは、毎週のようにオンライン会議を実施。メンバーが脚本を書いて声をあてた音声ドラマを編集し、コンテンツに添えるためイラストを描くのは、飯田さんの役割です。

座ってタブレットで作業する飯田千亜里

手を動かして初めて、「できる」と思える。

「放送サークルについては、オンライン中心の生活になって、むしろ活動が活発になったかもしれません。以前は月に 2 回ほどだった収録も、今は毎週更新しているくらいですから」

サークルのメンバーで手分けしてつくった音声ドラマ。登場人物をイラストにしてネット上にアップするときに添えれば、リスナーはより物語を楽しめます。

「私は脚本から“妄想”して、登場するキャラクターを描くんですが、『こんなに描けるんだ』って思えるようにもなりました」と言う飯田さん。

「紙に書いた下描きをスマホで撮って、パソコンに取り込んだら、自由に彩色できる。ペン操作ができるパソコンがあって、創作する素材があって、時間もとれるようになった。自分の実力でどこまでできるんだろうって以前は悩んでいましたが、実際に手を動かしてみて初めて、やればできるんだって実感できたのは、うれしかった」

モダン PC を使い始めて約半年。起動がスムーズで、思いついたときに思いついたことをかたちにできるのは、パートナーとして最適です。

「イラストだけでなく、ダンスの PV もつくれちゃうかもって思っています。サークルのみんなが踊っているのを、私が撮影して編集できればいいな」と、飯田さんは、次のステップを語ります。

「この自粛期間で、ネットには工夫されたいろんな動画がアップされています。何も高価な機材がなくても、スマホで撮ったものだって、アイデアさえあればほかの動画にも見劣りしないんですよね。『自分がどこまでできるかがわかった』ので『あとは、やるだけ』。そう思えたのが、この半年間で得られたいちばんの収穫かもしれません」

「やろうと思えば、できる」。そうつぶやく飯田さん。彼女の創作欲は、今、これまで以上に熱を帯びているようです。

やりたいこと、はじめてみた私たち

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