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いまや当たり前!? 企業のオンライン セミナー

2021 年 8 月 26 日

コロナ禍、そしてリモートワークの普及を背景に増加の一途を辿るオンライン セミナー。純粋な教育機会としてのセミナーと、マーケティング手法としてのセミナーとに大別されるのはご存じでしたでしょうか。本記事では、空前のブームを迎えているオンライン セミナーについて再定義してみたいと思います。



PC の前でヘッドセットをつけて話すビジネス パーソン

1. オンライン セミナーとは?

オンライン セミナーの定義について解説を進めます。

1-1. ウェビナー、Web セミナー、E-ラーニング

オンライン セミナーとは、その名のごとく、リアルな会場ではなくオンライン、すなわちインターネット上で実施するセミナーや講演会・講義・研修を指します。従来のオフライン セミナーでは、一つの会場にセミナー講師や登壇者、そして参加者が集っていましたが、オンライン セミナーでは参加者が視聴者となり、モニターの画面越しに演目を閲覧するというスタイルが基本となります。視聴者の目線からすると、まるで 1 対 1 で話を聞いているような錯覚に陥りがちで、自宅で閲覧していれば、なおさらプライベート感覚でセミナーに参加できるというメリットがあります。

このオンライン セミナーには、様々な呼称があります。最近よく耳にするウェビナーもその一つ。「Web」と「Seminar」を合わせた造語ですが、他にも単純に「Web セミナー」と呼ばれたり、研修や教育目的であれば「E-ラーニング」と呼ばれることもあります。

1-2. 学習機会としての研修、セミナー

オンライン セミナーは大きくふたつの種類に分類することができます。まずひとつは、学習機会としての研修、セミナーです。社内研修や資格取得のための研修、業界独自の研修会もあるでしょう。「パーソル総合研究所」が公表している調査結果によると、コロナ禍の影響により、社内の集合研修をオンライン化にした企業の割合が実に 75.0% にも上っていることがわかります。企業規模が大きくなるほどオンライン化に積極的なようです。

さらにオンライン集合研修を実施している企業のうち、既存の研修をオンラインに置き換えたいと考える企業の割合は全体平均で 80.4%。さらに、オンライン集合研修で成果を実感している企業においては、その割合は 90.0% にも及んでいることがわかります。また受講者にとってのメリットとしては、オンライン化されたことで「時間の削減」「スケジュール調整がしやすかった」などの声があがっていました。この調査結果からしても、社内研修のオンライン化は今後もさらに進んでいくものと考えられます。

1-3. 集客/マーケティングを意識したオンライン セミナー

もうひとつが、集客/マーケティングを意識したオンライン セミナーです。その多くは無料で視聴できるスタイルとなっています。王道のパターンとしては、あるサービスを提供する企業が、その分野における専門家を招聘してセミナーを実施するというもので、例えば B to B 向けの SaaS 商材を提供する企業が、その商材の利点などをセミナー形式で伝えたり、M&A の仲介会社が有名経営者の講演を企画し、そのテーマの中に M&A の利点を織り交ぜるというものです。もちろん、Web 上に存在する記事や、あるいは書籍を読めばわかる内容なのかもしれませんが、やはり人の話を聞くことで理解も深まります。ましてや有名な経営者が語れば説得力は増します。

セミナーはあくまで見込み客 (リード) 獲得の一手段です。興味を持ってくれた参加者、特に開催後のアンケートにしっかり書き込んでくれた方には、以降、電話やメールでフォローすることで関係性の構築を図っていきます。もちろん、このセミナーを活用したマーケティング手法はコロナ禍以前から、活発に行われていました。しかし、複数人が一堂に会するイベントの休止要請によって、リアル会場でのセミナーが制限されてしまい、多くの主催者がオンライン セミナーに移行せざるを得ませんでした。当初は、リアル セミナーとは大きく勝手が違い、会場における一体感などが悦叙するため成果につながりづらいとの声も出ていましたが、それまで時間・場所・コストの制約によって頻繁にイベントを開催することが困難だった中小企業にとっては逆に、セミナー開催のチャンスがめぐってきたように思えます。オンライン セミナーによって主催企業の幅が広がったのは確かです。

集客/マーケティングを目的としたオンライン セミナーの目的について、もう少し細かく見ていきましょう。ある調査によると、実施目的は、既存顧客関係構築、新規顧客開拓、顧客理解などがあげられます。とはいえ、セミナーを開催してすぐにマネタイズができるわけではなく、セミナー後のフォローによって大きく変わってくるようです。目の前のマネタイズを目的とせず、企業や事業内容に認知や顧客、消費者とのエンゲージメントの強化といった目的のために、数回に渡ってオンライン セミナーを企画する企業も多く存在しています。それは、リアルに比べてセミナー開催の手間が大幅に軽減され、中小企業でも気軽に開催できるようになったことが理由としてあげられます。肉声を使って、Web に載せて消費者にアピールし、商品やサービスへの理解度を高めてもらい、ファン化するには最適な手法といえます。

2. オンライン セミナー普及の背景

街中の人混み

どうしてここまでオンライン セミナーが増えているのでしょうか。

2-1. 新型コロナ感染防止の観点から

どうしてオンライン セミナーに注目が集まっているのでしょうか。その背景にはもちろん、前述の通り「コロナ禍」というキーワードが挙げられます。感染防止の観点から、ひとつの会場に多くの人を集めることが困難になりました。もちろん、会場収容率や換気、感染防止対策に必要な消毒設備などを導入すれば実施可能ですが、そうなるとコスト バランスが悪化し、開催を躊躇せざるをえません。特に、有料セミナーのようにマネタイズが可能なものならまだしも、研修やマーケティング目的のセミナーに関しては、会場費や感染防止対策費用が重くのしかかってきがちです。とはいえ、研修やセミナーをぱったりやめてしまうのも忍びありません。社内研修、セミナーは企業存続のために重要な要素ですし、これまでセミナーを集客のカギにしていた企業にとっても痛手になります。そんな新型コロナ感染防止の観点から、このオンライン セミナーに注目が集まっているのは確かです。

2-2. IT ツールの発展と普及

もちろん、オンライン セミナーの開催が手軽に可能となったのは、IT ツールの発展と普及があったからこそです。オンライン セミナーは、発信側はもちろん、視聴者側にも一定の設備が必要になります。TV とは違い、パソコンやタブレットは必ずしも全一般家庭にあるものではありません。また、インターネット回線の問題や TV 電話のようにリアルタイムかつインタラクティブに情報がやりとりできるツールや、それを活用できる ICT リテラシーも必要です。これらの条件が、皮肉にもコロナ禍と働き方改革によるリモートワークの普及によって整ってきたように思えます。2020 年のリモートワーク普及期には、ノートパソコンや通信機器が飛ぶように売れましたし、家庭用の Wi-Fi を整える人も多くいました。

2-3. 営業活動が制限された

また、DX 観点とコロナ禍によって営業活動が制限されたことでマーケティング観点のオンライン セミナーが急増したという背景もあります。やはり新規顧客獲得や既存顧客対策を目的とした訪問活動は、度重なる緊急事態宣言などの影響で難しくなりました。電話やメールだけではなかなか関係構築が難しく、Web 広告からのリード獲得も徐々に費用対効果の面から厳しいと考える企業も増えています。オンライン セミナーを自社で運営すれば会場型よりもコストのハードルが低く、一度に参加できる人数も多いため、効率良く顧客に自社製品やサービスをアピールできます。もちろんそこに新たな顧客が参加すればいうことはありません。オンライン セミナーを活用すれば、新規の顧客だけではなく既存顧客の満足度を高められます。自社のファンを獲得しやすいマーケティング手法でもあり、製品の定着率やリピート率が上がることも期待できます。

3. オンライン セミナーの種類

ヘッドセットをつけてスクリーンの前でプレゼンをするビジネス パーソン

一言でオンライン セミナーといってもいくつかの種類があります。代表的な切り口として、ライブ配信型と録画した動画を配信パターン、さらには一方向型と双方向型に分類されます。

3-1. ライブ配信型と録画型

ライブ配信型は、従来のリアル セミナーをオンラインに置き換えたもので、画面越しではありますが、同じ時間を過ごしているというライブ感や一体感、質疑応答などができるというメリットがあります。

一方の録画については、臨場感という面では劣るものの、一度録画した動画を何度も繰り返し放映できて、SNS やブログなどを通じて拡散できるというメリットがあります。ライブのセミナーでは運営者や登壇者などマンパワーが必要になりますが、録画された動画であればオペレートは非常に簡易なものになります。

3-2. 一方向型と双方向型

一方向型と双方向型という切り口でも分類できますが、最近はオンライン セミナーの開催者が一方通行的にセミナーを進行する「一方向型」ではなく、質問も受けながらインタラクティブに進行する「双方向型」のオンライン セミナーが注目を集めているようです。参加者にとっても、しっかり質問をすることで理解が深まるというメリットがあるのでしょう。ただし、登壇者の側としては参加者を巻き込むファシリテーション力が求められるようになります。登壇者とは別にモデレーターや司会者を配備するのも、登壇者、参加者双方にとってメリットあるセミナーにするための施策の一つといえます。

4. オンライン セミナーのメリット/デメリット

オンライン セミナーにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

4-1. 経済負担の軽減

企業側のメリットは、改めて言うまでもなく、会場のレンタル費、人件費などのコストが大幅に削減できる点にあります。大型会場で開催されていた対面型のセミナーは、主催する企業にとっては大きな経済負担になります。十分な採用予算を持たない中堅企業にとっては、なかなか手が出ないものとなっていました。それが大幅に削減されることで、一気にハードルが下がりました。また会場の手配、出演者への接待などの準備の手間が省けます。

4-2. 幅広い層へのリーチが可能

さらに遠隔地にも発信が可能のため、海外・地方にいる方の集客も見込めます。全国各地で開催できるほど規模の大きな企業であれば良いのですが、複数の拠点を持たない中堅企業にとっては、せいぜい拠点のある都市部を中心に会場を押さえるのが精いっぱい。そのため地方都市にある優良企業にとっては、ハードルの高いイベントになっていました。それがオンラインになることで一気にアプローチできる層が広がります。同時に録画機能を利用することで、当日都合がつかない人にもセミナー内容を配信することができます。

4-3. 参加がしやすい

参加者側は、個人のデバイスで気軽に参加できる点があります。時間と場所の拘束がないのは大きいです。時間と費用の無駄がありません。録画配信であれば、繰り返し見たり、一時停止したりすることが可能なので理解も深まりますし、途中で席をはずすこともできます。

5. オンライン セミナー成功のポイント

オンライン セミナーを成功させるためのポイントをご紹介します。

5-1. 目的設定とアフターフォロー

まずはセミナーの目的を明確に、ゴールを明確に設定します。タイトルや内容も一貫性のあるものにいて、例えば集客が目的であれば、終了後の導線、すなわちアンケートの準備も含め全体をコーディネートとします。もちろん、主役である話者の見た目と話し方にも工夫が必要です。服装・髪型・話す速度・声量などに配慮するのはもちろん、オンラインならではという意味では、カメラの位置によっても印象が変わるので、映り方を確認しておきましょう。

5-2. インターネット環境を整える

もっとも重要なのはインターネット環境を万全に整えることです。配信中にネットワークが途切れてしまうと、せっかくの講演も台無しになってしまいますし、参加者の離脱を招きます。それどころか“IT に弱い会社”“詰めが甘い会社”といったイメージダウンになるかもしれないので注意が必要です。

6. オンライン説明会に最適なツール

本章では、オンライン セミナー説明会を実施するために必要な機器、ツールについて説明します。

6-1. ツール選びのポイント

基本的には、PC とインターネット環境さえあれば、すぐにオンライン セミナーの開催は可能です。すでにリモートワークを推進し、Web 会議を実施している企業であれば、Web カメラやマイク、電子会議アプリケーションを活用しているかと思いますので、その延長としてオンライン セミナーの環境を整えることができます。

気になるのは、そのツール選びです。世の中には Web 会議に特化したものやオンライン セミナーに特化したアプリケーション、その両方に対応できるツール、あるいは汎用型のコミュニケーション ツールを応用するパターンなど、多数乱立した状態にあります。その中でお勧めしたいのが「Microsoft 365」にパッケージされている「Microsoft Teams」です。

6-2. 「Microsoft Teams」が最適な理由

「Microsoft Teams」はマイクロソフトが提供しているグループウェアで、チャット・通話機能の他、ビデオ会議機能、ファイル共有機能、Office アプリとの連携機能があります。コロナ禍の影響もあってか、Teams の利用者は急増しています。日本マイクロソフトによれば、日本国内における「Microsoft Teams」利用者数は、1 億 4500 万人にのぼり、日経 225 の 94% にあたる企業が利用しています。
この Teams の中で、オンライン セミナーに最適な機能が Teams ライブ イベントです。すでに Teams を導入している企業も数多くあるので、これを活用すれば無理なく、ライブ配信によるオンライン セミナーを実施できます。

Teams によるライブ配信は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスでも参加可能。開催準備もわずか 3 ステップの手軽さ。オンライン イベントを作成し、参加者をリンク、スケジュールを統合してメールで招待 URL を共有するだけです。

Microsoft Teams でライブ イベントが利用できるプランはいくつかありますが、基本的には最大 10,000 人が参加可能、ライブ配信のほかに、録画再生も可能です。ちなみに Teams でオンライン会議を開催する場合、そこにアクセスできるユーザー数は 300 名までとなりますが、少人数であればこちらを利用しても良いかもしれません。

この「ライブ イベント」機能は大規模な会社説明会などを実施し通常の会議機能では、少数イベントを実施するなどして使い分けると良いでしょう。ただし「ライブ イベント」では、チャットによる質問は受けることができますが、主催側から一方通行の配信という形になるという点は注意してください。

Teams「ライブ イベント」は、録画しながら配信する“ストリーミング”となるので、任意のタイミングで少し戻して再生するといった“追っかけ再生”ができるというメリットがあります。

また、2021 年 5 月、Teams に追加された、ウェビナー特化の新機能「Webinars」によって、さらにオンライン セミナーがスムーズに開催できるようになりました。このウェビナー機能「Webinars」を活用すると最大 1000 人の出席者に対応。視聴のみのブロードキャスト モードであれば、出席者数を 1 万人まで拡大することができます。また、お申し込みページ作成機能がついているので事前準備も簡素化されるとともに、メールで配信された参加登録が完了すると、自分のカレンダーに自動にセミナー参加リンクが追加されます。

やはりオンライン セミナーにおいては、多くのビジネス パーソンが使い慣れている Teams に搭載された、「ライブ イベント」「Webinars」機能を活用する例が増えているのも納得です。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

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クラウド版 Microsoft 365 なら、リモートワーク/ハイブリッド ワーク、業務効率化、コスト削減をトータルに実現! Teams でオンライン セミナーも簡単! 製品のメリット、内容をわかりやく解説します。

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