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Excel シートへの PDF 貼り付け、挿入方法をわかりやすく解説

2022 年 1 月 19 日

「Microsoft Excel シートに PDF を貼り付けたり挿入したりする方法がわからない」「PDF を貼り付けたがアイコンしか表示されない」「文字化けしたテキストが貼り付けられる」
そんな悩みを解消すべく、今回は Excel シートに PDF ファイルを貼り付ける方法を紹介します。

1. PDF を挿入>オブジェクトで貼り付ける

Excel シートに PDF を挿入する方法には、基本的にマウス操作による方法とショートカット キーを使う方法の 2 つがあります。
ここでは、それぞれの手順や間違った操作による例などを見ていきましょう。

なお、本稿で解説に使用する Excel のバージョンは Microsoft Excel 2019 です。

【マウス操作による PDF ファイルの挿入方法】

PDF ファイルを挿入したい位置の左上角にあたるセルを選択し、「挿入」タブを選択します。
テキスト グループの「オブジェクト」アイコンを選択し、続いて表示される「オブジェクトの挿入」ダイアログ ボックスの「ファイルから」タブを選択。

挿入 タブの「オブジェクト」アイコン

「参照」ボタンを左クリックするとファイル選択画面が表示されるので、挿入したい PDF ファイルを選択、右下の「OK」ボタンを左クリックします。

「オブジェクトの挿入」ダイアログ ボックス

このように挿入されました。

Excel シートへ PDF が挿入された状態

【ショートカット キーを使った PDF ファイルの挿入方法】

頻繁に PDF ファイルを挿入することがある場合は、ショートカット キーを覚えておくと便利です。[Alt]、[N]、[J] キーを順に押すことで、「オブジェクトの挿入」ダイアログ ボックスが表示されます。
その後の操作はマウス操作と同じです。

【間違った挿入操作による例】

PDF ファイルを挿入したのに、PDF のアイコンしか表示されなかったり、文字化けしてしまったりすることがあります。

挿入した PDF がアイコンで表示される

アイコンが表示される場合は、PDF を挿入する際に、次の図のように「リンク」チェック ボックスにチェックが入っていないか確認します。
入っていた場合はチェックを外し、再度挿入します。

「オブジェクトの挿入」ダイアログ ボックスの「リンク」チェック ボックス

文字化けする場合は、PDF ファイルに問題があります。
PDF ファイル変換前のファイルに使われているフォントが PDF ファイルを挿入しようとしているパソコンにインストールされていないことが原因なので、変換前のファイルに使われているフォントを Windows 標準の游ゴシックまたは、メイリオで再作成します。

なお、游ゴシックを選択すると、Mac でも文字化けの心配がありません。
PDF ファイルへの変換前のファイルが手元にない、あるいは、PDF ファイルに保護がかかっているといった場合は編集できないので、利用中のパソコンにフォントをインストールする必要があります。

PDF ファイルに使われているフォントを確認する際は、PDF ファイルを Adobe Acrobat Reader DC で開き、メニューの「ファイル」を選択し、表示されるメニューから「プロパティ」を左クリックします。

Adobe Acrobat Reader DC の「ファイル」メニューの「プロパティ」

表示される「文書のプロパティ」ダイアログ ボックスの「フォント」タブを選択すると、PDF ファイルに利用されているフォントの一覧が確認できます。

「文書のプロパティ」ダイアログ ボックス

【PDF がぼやけて表示される際の原因と対策】

PDF ファイルを挿入した際にぼやけて表示される場合の原因と対策を紹介します。

ぼやける原因は、PDF ファイルの実際のサイズより小さく挿入されることと、PDF ファイルに埋め込まれている画像の解像度が低いことによります。サイズについては、挿入された PDF ファイルのサイズを Excel シート上でサイズ変更しても改善できません。

対策として、PDF ファイルに埋め込まれている画像の解像度を上げる、あるいは、次項「2. PDF を画像化して貼り付ける」で紹介する方法で解決します。

PDF に変換前の元ファイルが手元にある場合は、解像度の高い画像に貼り替えてみます。手元にない場合は、Adobe Acrobat Reader DC で画像の解像度を上げてみます。

Adobe Acrobat Reader DC で対象の PDF ファイルを開き、メニューの「編集」を選択、表示されるメニューから「環境設定」を左クリックします。

Adobe Acrobat Reader DC の「編集」メニューの「環境設定」

「環境設定」ダイアログ ボックスが表示されるので、左の分類から「一般」を選択し、「スナップショット ツール画像に固定解像度を使用」チェック ボックスにチェックを入れ、数値を 300~500 程度に上げます。
最後に右下の「OK」ボタンを左クリックします。

「環境設定」ダイアログ ボックス

この方法でもぼやける場合は、「画像化して貼り付ける」ことで対処します。

2. PDF を画像化して貼り付ける

PDF ファイルを挿入するよりも、スクリーンショットを使って画像化したファイルを挿入する方がきれいに表示されることがあります。
そこで、スクリーンショットを挿入する方法を紹介します。

【切り取り & スケッチを利用して貼り付ける方法】

簡単にスクリーンショットを撮る方法は、キーボードの [PrintScreen] キーを押すことですが、この方法では画面に表示されているすべてが選択され、不要な部分も画像化されてしまいトリミングが必要になる場合があります。

必要な部分だけ画像化したい場合は、Windows 10 および Windows 11 の標準アプリ「切り取り & スケッチ」を利用すると便利です。
「切り取り & スケッチ」は、ショートカット キー [Windows]+[Shift]+[S] で起動します。

起動すると画面が暗転します。
スクリーンショットを撮りたい部分の左上隅にマウス カーソルを移動し、左クリックしたまま右下隅にドラッグし範囲指定をしたのち、クリックした指を離すと、選択範囲が画像としてクリップボードにコピーされます。

「切り取り & スケッチ」を起動した状態
「切り取り & スケッチ」で選択範囲を指定

クリップボードにコピーされた画像を Excel シートの任意の場所に貼り付けます。

クリップ ボードにコピーした画像が Excel シートに貼り付けられた状態

【Excel のスクリーンショットを利用して貼り付ける方法】

次に、Excel のスクリーンショット機能を利用する方法を紹介します。

まず、「挿入」タブを選択し、図グループの「スクリーンショット」ボタンをクリックします。
次のようなウィンドウが表示されるので、選択範囲のスクリーンショットを撮りたい場合は、「画面の領域」を選択します。

Excel の「挿入」タブの「スクリーンショット」ボタン

画面の領域を使う場合、事前に撮りたい PDF を開いて Excel と画面の領域が重なるようにしておく必要があります。

【PDF の複数ページを貼り付ける方法】

次に、複数ページある PDF を貼り付ける方法を紹介します。

Excel には複数ページの PDF を挿入する機能はありません。複数ページの PDF  をオブジェクトから貼り付けると、1 ページ目のみが表示されます。
そのため、複数ページある PDF の各ページをすべて貼り付けたい場合は、あらかじめ各ページを画像化し、それぞれを並べて貼り付ける必要があります。

前述のとおり、各ページのスクリーンショットを撮り、Excel シートの任意の場所に貼り付けていくといった方法もありますが、ページ数が多い PDF の場合は、1 枚ずつスクリーンショットを撮ると手間も時間もかかります。

そのような場合は、複数ページの PDF ファイルを複数枚の画像ファイルに変換してくれるオンライン ツールを利用すると便利です。以下に、利用方法を交えていくつか紹介します。

I Love PDF

「I Love PDF」は、PDF ファイルの分割や結合、Office 系ファイルの PDF 化、PDF ファイルの JPG 変換など、PDF ファイルに特化したオンライン ツールです。

それでは利用方法を紹介します。
I Love PDFにアクセスし、「PDF JPEG 変換」を選択します。

「I Love PDF」Web サイト

(画像出典 : I Love PDF)

遷移したページの「PDFファイルを選択」ボタンをクリックし、JPEG 変換したいファイルを選択するか、ボタン上に PDF ファイルをドロップします。

「I Love PDF」Web サイトの「PDF ファイルを選択」ボタン

PDF ファイルがアップロードされ、次のような画面が表示されます。
「ページから JPG」を選択し、「JPG に変換」ボタンをクリックします。

「I Love PDF」Web サイトの PDF ファイルがアップロードされた後の表示

変換が終わると、次のような画面が表示されるので、「JPG 画像のダウンロード」ボタンをクリックします。
ダウンロード先の選択画面が表示され、複数枚の JPG ファイルが圧縮された ZIP ファイルがダウンロードできます。

「I Love PDF」Web サイトの「JPG 画像のダウンロード」ボタン

PDF to Image

「PDF to Image」は「I Love PDF」と同様に、PDF ファイルのあらゆる操作に特化したオンライン ツールです。

「PDF to Image」Web サイト

(画像出典 : PDF to Image)

PDF to Imageにアクセスし、ページ中ほどの、「PDF to JPG」タブを選択後、JPG 変換したい PDF ファイルをドラッグ & ドロップするか、「アップロード」ボタンをクリックして PDF ファイルを選択します。

「PDF to Image」Web サイトのファイル アップロード画面

アップロードが完了し、JPG 変換が完了すると次のような画面になります。
「全てをダウンロード」ボタンをクリックし、変換されたファイルをダウンロードします。複数枚の JPG ファイルが圧縮された ZIP ファイルがダウンロードできます。

「PDF to Image」Web サイトのファイルがアップロードされた後の表示

「Adobe Acrobat」は、Adobe 社が提供する PDF ファイルを画像ファイルに変換する専用オンライン ツールです。JPG の他、PNG、TIFF 形式の画像ファイルに変換できます。

「Adobe Acrobat」Web サイトのスクリーンショット

利用するには、Adobe の無料アカウントが必要です。アカウント未登録の場合は、Adobe アカウントページからアカウントを登録してください。

アカウントにログインした状態で、Adobe Acrobat ウェブ サイトにアクセスします。ログインしていない場合は、作業をすすめる中で、アカウントへのログインを促されるので、ログインします。

表示された画面に PDF ファイルをドラッグ & ドロップ、または「Select a file」ボタンをクリックし、PDF ファイルをアップロードします。

「Adobe Acrobat」Web サイト

アップロードが完了すると、画像ファイルに変換する画面が表示されます。
ここでは、画像ファイルの形式と画質を選択し、「Convert to JPG」ボタンをクリックします。

「Adobe Acrobat」Web サイトの画像ファイルに変換する画面

ファイル変換が完了するとダウンロード画面が表示されます。
「Download」ボタンをクリックし、ファイルをダウンロードします。複数枚の画像ファイルが圧縮された ZIP ファイルがダウンロードできます。

「Adobe Acrobat」Web サイトのファイル ダウンロード画面

【画像化して Excel に貼り付けた後の画像加工】

Excel にはシート上に貼り付けた画像を加工して、より見やすくするための便利な画像編集機能があります。
ここではトリミングと背景の透過など、代表的な画像編集機能について紹介します。

1. トリミング機能

画像の不要な部分をトリミングする機能です。
トリミングしたい画像を右クリックし、表示されるメニューから「トリミング」アイコンを選択します。

Excel シートに挿入した画像を右クリックして表示されるメニュー

トリミング画面に変わるので、太枠をマウスで移動させてトリミングします。

Excel シートに挿入した画像のトリミングを範囲を指定

最後にシート上の画像以外の部分を選択すると、操作したトリミングが確定します。

Excel シートに挿入した画像のトリミングが確定

2. 背景を削除する

画像を挿入した後で、画像の背景だけを削除することができます。
順を追って紹介します。

画像を選択した状態で、「図の形式」タブの「背景の削除」を選択します。

Excel シートに挿入した画像を選択して表示される「図の形式」タブの「背景の削除」

背景部分が紫色にマスクされます。背景の領域に問題がない場合は、空白セルを選択します。

背景として削除したい部分がマスクされていない場合や、削除したい部分を追加したい場合は、「保持する領域としてマーク」または「削除する領域としてマーク」を選択し、表示されるペン型カーソルで領域を指定します。

Excel シートに挿入した画像の背景削除にて保持する領域の指定

背景が削除され、透明化されました。

Excel シートに挿入した画像の背景が削除されて透明化

3. 透明色を指定する

画像の背景を削除する方法の 1 つに、透明色を指定する方法があります。画像の特定の色の部分のみを透過したい場合などに有効です。

操作方法は、画像を選択した状態で、「図の形式」タブの「色アイコン」を選択し、「透明色を指定」を選択し、画像の透明化したい色部分を選択します。
次の画像は、白の背景を透化したい場合の例です。

Excel シートに挿入した画像の透明色の指定

まず画像を選択し、「図の形式」タブを開きます。
リボンの左側「色」を開き、下部の「透明色を指定(S)」を選択します。
画像の中から白い部分を選択すれば、白い部分が透明化されました。

Excel シートに挿入した画像の透明色の指定で白い部分が透明化

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3. 挿入した PDF や画像を固定する

ここでは、挿入した PDF や画像の固定方法を紹介します。

挿入された PDF や画像はセルのサイズを変更すると、それに合わせて移動したり、サイズが変わったりすることがあります。

PDF の場合は、挿入された PDF を右クリックし表示されるメニューより「オブジェクトの書式設定」を選択します。
「オブジェクトの書式設定」ダイアログ ボックスが表示されるので、「プロパティ」タブを選択、「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」を選択し、「OK」ボタンをクリックし閉じます。

「オブジェクトの書式設定」ダイアログ ボックス

画像の場合は、挿入された画像を右クリックし表示されるメニューより「図の書式設定」を選択します。
ウィンドウの右側に図の書式設定バーが表示されるので、「サイズとプロパティ」アイコンを選択し、表示されるメニューの「プロパティ」から、「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」を選択します。

Excel シートに挿入した画像を選択して表示した図の書式設定

4. PDF へのリンクを配置する

最後に、PDF ファイルへのハイパーリンクの設定方法を紹介します。
複数ページの PDF ファイルや、表示サイズが大きい PDF ファイルなどを挿入する、あるいは画像化して貼り付けるよりも、Excel シート上に PDF ファイルへのリンクを貼ったほうが、利便性が高いことがあります。

ここでは、PDF ファイルへのハイパーリンクを設定したボタンを Excel シート上に設置する例を紹介します。

【ローカル上の PDF ファイルにハイパーリンクを設定する方法】

Excel シートに図形でボタンを描きます。続いて描いた図形を右クリックし、表示されるメニューより「リンク」を選択します。
「ハイパーリンクの挿入」ダイアログ ボックスが表示されるので、リンクしたい PDF ファイルを選択します。選択された PDF ファイルが「アドレス」欄に表示されていることを確認し、「OK」ボタンを左クリックします。

「ハイパーリンクの挿入」ダイアログ ボックス

リンクを設定したボタンをクリックすると、次のように PDF ファイルが立ち上がります。

「ハイパーリンクの挿入」でリンクを設定したボタンのクリックで PDF ファイルが起動

【オンライン上の PDF ファイルにハイパーリンクを設定する方法】

インターネット上にアップロードされた PDF ファイルにリンクしたい場合も同様の手順です。
「ハイパーリンクの挿入」ダイアログ ボックスを表示させ、「アドレス」欄にインターネット上のアドレス (URL) を入力し、「OK」ボタンを左クリックします。

【リンクがうまく動作しない場合のチェック ポイント】

ハイパーリンクを設定したにもかかわらず、うまく動作しない場合は、次の点をチェックしましょう。

  • リンク先のアドレスに間違いがないか
  • 社内ネットワーク上のファイルやインターネット上のファイルへのリンクの場合ネットワークに異常がないか
  • ハイパーリンク機能が無効になっていないか (テキストにハイパーリンクを設定した場合)

ハイパーリンク機能の確認方法は、「ファイル」タブをクリックし、表示されるページの左メニューより「オプション」を選択します。

「Excel のオプション」ダイアログ ボックスが開くので、「文章校正」を選択します。
「オートコレクトのオプション」をクリックし表示される「オートコレクト」ダイアログ ボックスの「入力オートフォーマット」タブ内の「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」にチェックが入っていることを確認します。

「Excel のオプション」ダイアログ ボックス

5. まとめ

Excel を使った営業資料や社内資料に PDF や画像を挿入することで、わかりやすく見栄えもよい資料になります。
今回紹介した Excel シートへの PDF の挿入方法をマスターして、Excel 資料作成のステップアップにお役立て下さい。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

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