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Excel ピボットテーブルで見やすい集計、分析にトライしよう!

2022 年 2 月 2 日

ピボットテーブルは、「データを○○の視点で分析したい」といった場合に短時間で結果を出せる Microsoft Excel の便利な機能です。
この記事では、Excel での分析レベルを上げるピボット テーブルの使い方を、基本から応用まで初心者の方にもわかりやすく解説します。

1. ピボットテーブルなら効率的に分析できる

まず、ピボットテーブルとは何か、また、ピボットテーブルが便利に使えるのはどんな場面かを解説します。

1-1. さまざまなデータを軸に集計できる

ピボットテーブルとは、テーブル上にあるデータをさまざまな切り口で分析する Excel の機能です。簡単なメニューに従ってデータを選ぶだけで、きれいな集計表やグラフを作ることができます。

ピボットテーブルを使うには、まず集計の元となるデータが必要です。これは 1 つのテーブルでも、複数のテーブルであっても構いません。これを任意の分析の切り口に従って、別のテーブルにまとめていきます。

つまり、ゼロから Excel のシートを作るときに使用するのではなく、既にある程度の量のデータが入った Excel のシートがあり、それを分析する、あるいはまとめ直す際の機能だということです。

  • 膨大な量のデータでも瞬時に集計ができる
  • 元のデータの形を壊したり、変更したりすることなく集計できる

このような特徴から、Excel の強力な分析機能として多くの場面で使われています。

1-2. あらゆる仕事シーンで使える

では、ピボットテーブルが便利に使えるのはどういう場面でしょうか。
基本的にピボットテーブルが使えるのは、2 つ以上の項目についてデータの集計を行う「クロス集計」を行うときです。

例として、以下のようなシーンが考えられるでしょう。

  • 支店、商品、売上額が一覧になっている表から、支店ごとや商品別の売上を求めたい。
  • 営業部員が商談にかけている時間一覧と、営業部員ごとの売上額の一覧から、営業部員が商談にかける時間と、売上額の相関を知りたい。
  • アンケート項目の一覧から、満足度が高かった人の年代と性別を求めたい。

 

多くの場合、元のテーブルが 1 か所、集計を行う項目が 2 つ以上あるケースです。

2. 初心者向け ! ピボットテーブルはじめの一歩

それでは、ピボットテーブルの基本的な使い方を説明します。

2-1. ピボットテーブル作成の手順

ここでは、商品名/顧客名/営業担当者名/売上額などが記録されているテーブルから、顧客ごとにまとめて商品別の売上のピボットテーブルを作ってみましょう。

以下に示すのは、「浅草商会」という企業の売上一覧表です。

1. 集計、分析したいデータを準備する

Excel で作成した表

まずはピボットテーブルの集計元となるデータを準備する必要があります。
元データの条件としては以下のようなものがありますので、条件に合わない場合は修正してください。

  • 1 行目に「日付」「商品名」などデータの種類を表すタイトル行がある
  • 2 行目以降のデータが連続しており、途中に空白行がない
  • データ以外に何か入力されている余計なセルがない

2. 「挿入」タブ>「ピボットテーブル」を選択

Excel の「挿入」タブ

元データの入っているシートで、「挿入」タブ>「ピボットテーブル」を選択します。
セルはどこを選択している状態でもかまいません。ダイアログ ボックスが表示されます。

3. ダイアログ ボックスで表示元のテーブルが正しいことを確認

「ピボットテーブルの作成」ダイアログ

ダイアログ ボックスでは「分析するデータを選択してください。」に対し、正しいテーブルの範囲が選択されているようにします。範囲が間違っている場合は、データのタイトルから最後の行・列までが選択されるように修正します。

4. 表示させたい項目をドラッグ アンド ドロップする

新しいワークシートにピボットテーブルのためのメニューが表示された状態

新しいワークシートにピボットテーブルのためのメニューが表示された状態となっています。「フィールド名」のところに、1 行目のタイトルが入っていることを確認してください。
これらの項目を、行方向に表示したい場合は「行」、列方向に表示したい場合は「列」、値として集計したい場合は「値」に向けてドラッグ アンド ドロップします。

今回は、「顧客ごと」「商品ごと」の 2 つの視点で売上額を見たいと考えています。そこで、行方向に顧客名、列方向に商品名を並べてみます。
「行」に顧客名、「列」に商品名をドラッグ アンド ドロップし、「値」に売上額をドロップします。

すると、このようにまとめられたテーブルが表示されます。ピボットテーブルは、関数など一切使わずとも見やすい集計表ができる方法なのです。

ピボットテーブルで作成された集計表

2-2. ピボットテーブルを組み替えたいときには

ここで改めてピボットテーブルの要素について解説しておきましょう。
ピボットテーブルでは「行」「列」「値」「フィルター」を組み合わせることで、見やすい集計表を作ります。

  • 行:行方向 (1、2、3…) に表示させる項目を表す。
  • 列:列方向 (A、B、C…) に表示させる項目を表す。
  • 値:数値として計算したい項目を表す。
  • フィルター:設定した項目についてフィルターが可能となる。

「行」「列」「値」については前項で説明しましたので、次に「フィルター」の使い方について説明します。

たとえば前項で作成した顧客ごと、商品ごとの売上データをさらに営業担当者でフィルターして見たい場合、フィールド名「営業担当者」をフィルターの欄にドラッグ アンド ドロップします。

ピボットテーブルで作成された集計表

営業担当者についてのフィルターが 1 行目に表示されます。
B1 のセルで実際に一部のデータだけ表示するための条件を設定できます。

ピボットテーブルのフィルター

「高橋」さんの担当分データだけを表示させました。
このように、フィルターを使って一部のデータだけを表示させることが可能です。

ピボットテーブルのフィルターを適用させた状態

また、ピボットテーブルの表示を変えたいときには、ピボットテーブルの作業ウインドウから、行、列、値、フィルターに入っている項目を変更することで組み替えることができます。
前回は顧客名を行方向に、商品名を列方向に並べましたが、商品名も行方向に並べて、入れ子型の表にすることもできます。

では、「商品名」を「顧客名」の下にドラッグ アンド ドロップしてみましょう。

ピボットテーブルの変更

行方向に入れ子になった表ができました。ここから、行方向に顧客名ごとにまとめた商品別の売り上げを、さらに月別にまとめていきます。

「日付」フィールドを「列」にドラッグ アンド ドロップします。

ピボットテーブルの変更

すると、自動的に Excel が日付を解釈して、月別の合計を作成してくれます。列には「月」「日付」と 2 つの項目が入っていることが確認できます。
実際のテーブルも月ごとにフィルターされていますが、「+」のアイコンをクリックすると、日付ごとにブレイクダウンすることもできます。

ピボットテーブルのフィルター

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3. もっと便利にピボットテーブルを使いたい場合

ここでは、ピボットテーブルをさらに便利に使いたい場合や、高度な集計と分析をしたい場合の活用方法を見ていきましょう。

3-1. ピボットテーブル で詳細な集計/分析をする方法

ここでは、ピボットテーブルでさらに詳細な集計/分析をするための操作方法を解説します。

1. 降順、昇順を並べ替える方法

「行ラベル」「列ラベル」のセルに表示されたそれぞれの下向き三角のアイコンをクリックすることで、行方向や列方向の並べ替えができます。

ピボットテーブルのフィルター

通常、ピボットテーブルを作ると、自動的に昇順に並べ替えられていますが、ここでは行ラベルを「降順」に並べ替えてみます。

ピボットテーブルのフィルター

このように、降順にデータを並べ替えることができました。

2. 合計や平均などの集計方法

数値を値の欄にドラッグ アンド ドロップすると、自動的に合計が求められます。
合計の他に、平均や最大値、最小値などを求めることもできます。

売上額を値にドラッグ アンド ドロップし、クリックして「フィールドの設定」を選択します。

ピボットテーブルの「フィールドの設定」

  ダイアログ ボックスから平均、最大、最小など、どのような集計をするのか選択しましょう。
ここでは「平均」を選択し、「OK」をクリックします。

「ピボットテーブル フィールド」ダイアログ

ピボットテーブルに平均値の列が追加されます。

ピボットテーブルで作成された集計表

3. ピボットグラフを使う方法

ピボットグラフは、ピボットテーブルの内容をグラフで可視化してくれるツールです。
ピボットテーブル上のセルを選択した状態で「ピボットテーブル分析」>「ピボットグラフ」を選択します。

「ピボットテーブル分析」タブの「ピボットグラフ」

ダイアログボックスからグラフの種類を選択し、「OK」を選択します。

「グラフの挿入」ダイアログ

グラフが表示されます。
後からグラフの種類を変更したい場合は、「デザイン」タブからグラフのデザインや種類を変更できます。

表示されたピボットグラフ

4. 「おすすめピボットテーブル」でピボットテーブルのテンプレートから作成する方法

ピボットテーブルを作成する際、どのフィールドをどこにドラッグ アンド ドロップしていいかわからない場合もあるでしょう。「おすすめピボットテーブル」を使うと、元データの内容から Excel がおすすめの集計方法を提案してくれます。

元データのあるシートで、「挿入」>「おすすめピボットテーブル」を選択します。

「挿入」タブの「おすすめピボットテーブル」

ダイアログボックスから、顧客名 (集計元:合計/売上額 (税抜)) を選択し「OK」を選びます。

「おすすめピボットテーブル」ダイアログ ボックス

すると、ピボットテーブルが表示されます。
後から行、列、値、フィルターなどを追加でドラッグ アンド ドロップすることも可能です。

ピボットテーブルで作成された集計表

5. 元データを更新したときにピボットテーブル側も更新する方法

集計する元のデータが更新されたとき、ピボットテーブル側も更新データを反映したいものです。しかし、古い元データでの集計を生かしたい場合もありますので、ピボットテーブルでは元データが更新されても自動的にピボットテーブルは更新されないようになっています。

そのため、ピボットテーブルの内容に元データの更新を反映させたい場合は、データの再読み込みをさせる必要があります。

元データの表とピボットテーブル

ここでは、2021 年 11 月 20 日に、エブリー大阪に対して小型ディスプレイ ¥150,000 を販売したことになっていましたが、実は複数個売れたため ¥600,000 でした。
この場合、元データを更新してもピボットテーブルは更新されません。

ソーステーブルとピボットテーブルを更新した後、計算が変更されました

「ピボットテーブル分析」>「更新」を選択すると、元のデータがピボットテーブルにも反映されます。

ピボットテーブルの更新

3-2. ピボットテーブルが使いやすくなる Tips 集

ここでは、ピボットテーブルを使いやすくするための知っておくと便利な技を紹介します。
これらを使うと、ピボットテーブルをさらに見やすく編集できるので試してみましょう。

1. ピボットテーブルの自動調整機能を無効にする

ピボットテーブルではデータを更新すると、自動的に列幅が調整されます。

通常は便利な機能ですが、見栄えや複数列の幅をあらかじめ揃えておいたといった場合に勝手に変わってしまうと不便です。
そこで、「ピボットテーブル分析」>「ピボットテーブル」>「オプション」を選択します。

「ピボットテーブル分析」タブの「ピボットテーブル」から「オプション」を選択

ダイアログ ボックスの「レイアウト」タブから、「更新時に列幅を自動調整する」のチェックを外すと、データを更新しても列幅が自動で変更されなくなります。

「ピボットテーブル オプション」ダイアログ

2. ピボットテーブルの表示桁数を揃える

列幅が調整されたピボットテーブル

表示する数字の単位が大きくなった場合に、百万円単位、千円単位など、ピボットテーブルの表示桁数を整えて、数字をわかりやすく見せることも可能です。

「値」フィールドの項目を右クリックから「フィールドの設定」

「値」フィールドの「合計/売上額 (税抜)」を右クリックし、「フィールドの設定」を選択します。

「ピボットテーブル フィールド」ダイアログ

ダイアログ ボックスから「表示形式」を選択します。

「セルの書式設定」ダイアログ

「ユーザー定義」を選択し、「種類」のボックスに「#,##0,」と入力します。
右から 1 つ目のカンマの位置まで詰めた形 (つまり単位:千円) で表示されます。

セルの書式設定が適用された状態

3. 日付表示のコントロール

ピボットテーブルでは、日付は「年」「四半期」「月」など自動的にグループ化されて表示されます。しかし、不要なものが入ってしまうこともありますし、逆に欲しいものが入っていないこともあります。

現在月別に表示されているところ、月別の集計は不要となった場合、列にある「月」をドラッグして欄の外に出すと、月ごとの集計がなくなります。

日付表示のコントロール Excelシートで

また、4 月から 3 か月ごとに「四半期」の単位でまとめたいという場合は、ピボットテーブルの中の任意のセル上で右クリックしたうえで、「グループ化」を選択します。

ピボットテーブルのセルで右クリックして表示されるメニュー

ダイアログボックスが表示されます。複数項目を選択するので Shift キーを押しながら、日、月、四半期を選択し、「OK」をクリックします。

「グループ化」ダイアログ

ピボットテーブルに四半期ごとの集計も含まれたことがわかります。

Excel で作成された四半期ごとの集計

4. まとめ

ピボットテーブルは、Excel でのデータ集計および分析のための便利な機能で、使い方も簡単です。
実際に使ったことがないという方も、ぜひ今回紹介した内容を参考に仕事に活用してみてください。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

 

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