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2023/08/31

NTT東日本 関東病院 が実現する医療 DX──厳しいセキュリティ問題を Microsoft 365 E5 で解決し、現場主導の市民開発を推進

高度なセキュリティが要求される医療業界において、デジタル・トランスフォーメーション(DX) の実現は容易なことではありません。NTT東日本 関東病院は、Microsoft 365 E5 の導入とマイクロソフトの強力なサポートにより、その障壁を乗り越え、DX 推進に大きく舵を切り始めました。同病院では、業務改革と働き方改革のためにアプリを内製開発し、OODA ループを回し続けるという、現場主導の市民開発を中心とした DX が着々と推進されています。

NTT東日本 関東病院は、情報通信事業を主とし、多種多様な事業を展開する NTT東日本の医療機関として、現場ニーズに沿った ICT を積極的に活用し、「すべての人にDXを」というスローガンのもとに医療・社会に貢献すべく DX 推進に取り組んでいます。

NTT Medical Center Tokyo

ICT 導入を進めるも、なかなか踏み込めなかったデータ活用

「人と、地域と、つながる医療」をモットーに、幅広い分野で高度な医療を提供する NTT東日本 関東病院。病床数 594 床と、NTT グループが運営する中でも最大規模の同病院は、医療の DX 化・国際化を積極的に推進しています。

2023 年 5 月、NTT グループは新たな中期経営戦略『New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN』を策定し、「データ・ドリブンによる新たな価値創造」「メディカル分野でのサービスの拡充および高度化」を強調しました。

NTT東日本 関東病院 においても、「医療DX推進病棟」を開設し、医療の安全と質の向上や働き方改革に取り組んでいます。脈拍や血圧、体温など端末をかざすだけで電子カルテに自動入力する機能の実装や、センシングによる転倒転落の防止、顔認証システムによる離院防止対策などが進められているのです。

NTT東日本 関東病院 看護部 副看護部長 村岡修子氏は、こうした ICT 活用について、長年に渡って取り組んできたものの、一方でもどかしい部分もあったと言います。

「電子カルテの導入などは早い時期から取り組めていたのですが、NTT グループは情報通信企業として、個人情報に関する極めて厳格な法規制を受けています。患者さんや職員のデータを可視化し、分析するためには、十分なセキュリティ対策を講じる必要があり、中々踏み込めなかった実情がありました」(村岡氏)

病院として、そして NTT グループの一員として、強固なセキュリティが求められる NTT東日本 関東病院。そんな同病院が本格的に DX 推進に踏み込めたきっかけの一つは、Microsoft 365 E5 の導入でした。

医療 DX 推進のゲームチェンジャー Microsoft 365 E5

最新の Office アプリケーションやコミュニケーション ツール、セキュリティ ソリューションを包括する Microsoft 365 のうち、E5 のライセンスは、最も高度なセキュリティ管理・ガバナンス管理の機能を備えています。

Microsoft 365 E5 による「ゼロトラスト セキュリティ」の実現によって、NTT東日本 関東病院では自発的な DX が可能になったと、NTT東日本 関東病院 運営企画部 情報システム担当 担当課長 福井一輝氏   と、NTT東日本 関東病院 DX推進部門 担当課長 久住呂涼子氏は、ともに笑みを浮かべます。

「従来は、『こういうことをしたい』と相談されて、それを実現できるような製品・サービスを探したとしても、情報漏洩リスクの懸念から導入を断念せざるを得ないケースや導入までの長期化するケースが多々ありました。しかし、Microsoft 365 E5 ならば、セキュリティに守られたまま、必要なシステムを自ら構築していくことができます」(福井氏)

「Microsoft 365 E5 が本格的に導入された時、調査検証を重ねると『これもできる、あれもできる!』と実現できることがあまりにも多く、胸が高鳴ったことを今でも覚えています。これは病院が変わるかもしれないと可能性を感じました。それで早速マイクロソフトに連絡して、技術面や人材育成のサポートを頂けないか相談しました」(久住呂氏)

もともとマイクロソフトは、NTT東日本の IT 部門と連携し、「DX 短期集中実践コース」などのデジタル人材育成を支援していました。その際、同病院から参加していた久住呂氏、福井氏との接点も生まれました。NTT東日本 関東病院という、日本医療の最前線において内製開発が可能になれば、大きな波及効果が期待できます。担当のカスタマーサクセス マネージャーに連絡したところ、すぐに実現に向けた提案を受けることが出来たといいます。2022 年 10 月から、病院の Microsoft 365 推進メンバーに対するトレーニングがおこなわれていきました。

その結果、コアメンバーを通じた Microsoft 365 の普及と Microsoft Teams の活用によって、NTT東日本 関東病院ではペーパーレス化が一気に進みます。これまで配付資料を年間 1 万枚印刷していた看護師長会議では、紙の利用がほぼゼロに。資料共有は Teams を使うことが当たり前になりました。院内の情報伝達も、スマホから Teams アプリを使って効率化できています。

さらに、救急搬送の受け入れといった状況把握も、元データを SharePoint に格納するだけで、委員会が毎月の応需率推移を Power BI で確認することができます。入退室管理は、Power Automate と Forms を組み合わせた仕組みによって簡単に実現しました。NTT東日本 関東病院  運営企画部 DX戦略担当 小嶋祐人氏は、Microsoft 365 の標準アプリを組み合わせるだけでも、効率化以上のことが可能になると熱く語ります。

「これまでは電話や紙で情報伝達をしていたため、時間も手間もかかっていた上に、後の振り返りがなかなかできませんでした。しかし、Microsoft 365のアプリを組み合わせて使えば、報告から状況確認、判断までが迅速にできます。たとえば、病床を効率よく稼働させるためのベッド コントロールも、Forms や Lists を組み合わせて素早く現状を報告し、Power BI で現状確認することによって、より空床状況や病棟の専門性に合った適切な病床を使ってもらうことが可能になっています」(小嶋氏)

昨年から NTT東日本 関東病院に勤めている、NTT東日本 関東病院  医療DX室 室長 森崎裕氏は、同病院の「OODA ループ思考の意識付け」についてこう言います。

「入職してからの半年、現場の看護師達の、『データを集めて、改善に役立てる』という意識が驚くほど高いと日々感じます。NTT東日本 関東病院だけでなく、『日本の医療を良くしたい』という熱意を事務スタッフを含めた全員が持っています。同じ思いを共有するシステム部門がすぐ側にいてくれて、業務改革や働き方改革を少しずつ実現できているこの環境は、医療者としてとても幸せに感じています」(森崎氏)

マイクロソフトが提供する強力なサポート体制

Microsoft 365 の各種機能を使いこなすために、NTT東日本 関東病院は、マイクロソフトの「Unified Support」を利用しています。各製品のエキスパート エンジニアが担当となり、技術的なよろず相談にいつでも答えるサポートです。

「小さな質問でもすぐに答えてくれます。今の私の知識の大半は、Unified Support に教わりました。大変失礼ながら、マイクロソフトはツールをオンライン販売しているだけの会社という先入観があったのですが、現場で本当に使えるようになるまで細かいサポートをしてくれるのだと、イメージががらりと変わりました」(福井氏)

Unified Support の効果を、小嶋氏は次のように語ります。
「今でこそ、簡単なことなら Forms や Power BI を使って実現しようとすぐ手を動かせますが、最初のうちはハードルが高く感じていました。しかし、Unified Support のプログラムを利用した勉強会を開催していただき、ひとりひとりの習熟度を見てくれて、丁寧に質問に答えてくれてと、マイクロソフトが隣にいてくれたからこそ、医療現場の期待に応えることができつつあるのだと思います」(小嶋氏)

現場主導の市民開発。Power Apps を活用した内製開発のアプリにより、1 日作業を 2 時間に短縮

強固なセキュリティに守られた中で、さまざまな機能を発揮できる Microsoft 365 E5。その本格導入から 1 年足らずで、NTT東日本 関東病院は劇的な業務改革・働き方改革を実現しています。使いこなすほどに、「もっとこうしたい」という思いが強くなっていったと福井氏は言います。

「より高度なシステムを Microsoft 365 で実現したいと思った時、自分たちの知識・技術力だけでは課題にぶつかることが増えてきました。悩んでいた頃、マイクロソフトから『Microsoft Industry Solutions Delivery (旧 Microsoft Consulting Services)』を担当のカスタマーサクセス マネージャー経由でご提案頂きました」(福井氏)

マイクロソフトの Industry Solutions Delivery は、顧客のビジネスニーズをより深く理解した上で、製品群の実装と運用、新たなビジネス価値の創出支援をするサービスです。

このサービスのもと、NTT東日本 関東病院では、医師や看護師からの綿密なヒアリングを踏まえて、専門的なプログラミング知識が不要のローコード開発ツール Power Apps による、アプリ開発が進められていきました。

森崎氏は、エアーマットの管理アプリから着手された経緯を次のように語ります。
「多くのテーマから、『現場で本当に使われる仕組みか?』『今の基盤で実現可能か?』といった点を考慮した上で、まずはエアーマットの在庫管理から着手しました。実際の開発期間としては 1 か月程度です。こんなに早くアプリができてしまうなんて、驚きました。内製化はトライアル アンド エラーのスピードが段違いだと感じました」(森崎氏)

エアーマットとは、空気の力で体圧を分散し、床ずれを防止するためのマットレスです。NTT東日本 関東病院では、病棟ごとに定数配置されているものの、所在がどこにあるか、現在どれだけ使われているかが、病棟間の貸し借りもあり、適正管理ができていないという課題がありました。

しかし、新たに開発された「エアーマット管理アプリ」を使えば、マットに添付された QRコードを読み取り、利用開始/終了ボタンを押すだけで登録が完了。管理画面から病棟ごとの利用状況を一覧することができます。
「エアーマットの管理ができれば、他の備品管理にも応用できると考えて着手しました。今は特定の病棟でトライアルしているところなのですが、相談元の看護師からは、『棚卸作業が楽しくて仕方ない。明日もまたやりたい』と言われています。実際、作業時間 1 日の予定が、たった 2 時間で完了しています」(久住呂氏)

従来の IT 部門発信のシステム導入ではなく、現場が主体となって進める市民開発ができたこと、また、DX の取り組みに積極的な職員が議論を重ね、現場に適したものを自分たちで開発する熱意があったからこそ、このようなアプリ開発を実現できたといいます。

日本医療全体の DX を加速させていく

Microsoft 365 E5 の導入とマイクロソフトのサポートによって、「医療 DX が現実になってきた」と村岡氏は言います。

「デバイスや ICT の導入だけではなく、蓄積したデータをもとに導入効果を可視化し、改善するサイクルを常に回し続けることが、本当の DX だと考えています。医療従事者ならば誰しもが、『患者さんのために、もっとこうできればいいのに』という思いを持っていることでしょう。その思いを実現できるようになった今の環境はとてもありがたいことです。日本医療情報学会や医療マネジメント学会などで取組を伝えていき、他病院の DX にも貢献することが私の責務だと思っています」(村岡氏)

今後は病院改革のモデルケースになっていきたいと、森崎氏が続けます。「業務の効率化が経営に反映しやすい小さな診療所の方が、DX が進んでいるのかもしれません。大きな病院ともなると、既存のやり方を変えることに抵抗もあるでしょう。医師を説得するには、厳密なデータが必要です。しかし、医療 DX を進めれば、雑務に費やす時間を減らし、コアな診療にフォーカスすることができるようになります。患者さんも、地域も、医療従事者も、みんなが幸せになるということを、我々で示していきたいと思います」(森崎氏)

NTT東日本 関東病院が進めてきた VUCA 時代を生き抜くための現場主導の OODA ループ思考と、NTT東日本 が力を入れるデジタル人材の育成、そしてマイクロソフトの手篤いサポートが組み合わさったことで、日本の医療 DX に、大きな波及効果がもたらされつつあります。

NTT東日本 という、多方面で事業を展開し、厳格なセキュリティが求められる大企業においても、DX を駆使した現場の革新が可能になったという本事例は、日本の多くの企業に勇気を与えられることでしょう。

“従来は、『こういうことをしたい』と相談されて、それを実現できるような製品・サービスを探したとしても、情報漏洩リスクの懸念から導入を断念せざるを得ないケースや導入までの長期化するケースが多々ありました。しかし、Microsoft 365 E5 ならば、セキュリティに守られたまま、必要なシステムを自ら構築していくことができます”

福井 一輝 氏, 運営企画部 情報システム担当 担当課長, NTT東日本 関東病院

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