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2021/10/11

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、顧客最優先のデジタル変革を推進

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は、小売薬局を運営し、毎日多くの人々にサービスを提供しています。同社の目標は、すべての顧客に優れたサービスを提供することです。そのためにWBAは、IT運用、職場、医療業界の最新化に向けて、デジタル変革を行っています。最初のステップでは、ITリソースをクラウドに移行します。WBAはそのプラットフォームとしてMicrosoft Azureを選択しました。WBAは、Azureを始めとするマイクロソフトの各種ソリューションを使用して、顧客が求めるあらゆるものを提供するオムニチャネルイノベーションを実現しています。

Walgreens Boots Alliance

“Azureを選んだ第一の理由はテクノロジーそのものです。Azureは、最新化計画の実施に必要なすべてのツールとリソースを備えた優れたプラットフォームです。”

フランチェスコ・ティント氏, グローバル最高情報責任者, ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス

25を超える国々で小売事業を展開し、デジタルプラットフォームのポートフォリオを持つウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は、日々、多くの人々の生活に関わっています。WBAの顧客は、処方薬を受け取るときも、健康美容製品を購入するときも、地域の医療機関を探すときも、WBAとその従業員を頼りにし、自分の健康に関心を持ってくれることを期待しています。

「当社の存在意義は、人々がより健康で幸せに生活できるように支援することです。それがお客様に対する当社のコミットメントです」と、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのグローバル最高情報責任者、フランチェスコ・ティント氏は言います。「当社の仕事は、当社が出店しているあらゆるコミュニティの要望に明確に応えることです。当社は大企業であるとは言え、地域のニーズは当社にとって非常に重要です。そのため、当社はベストを尽くして、お客様が信頼し頼れる地域の薬局になろうとしています」

米国のウォルグリーン店舗、英国のブーツ店舗、ライト・エイドやデュエイン・リードなどの提携ブランドを持つWBAは、ヘルスケア市場で大きな存在感を示しています。WBAの算定によると、米国では人口の約80%が、WBAが所有するドラッグストアの5マイル(約8km)圏内に住んでいます。このような大規模な事業を各地で円滑に運営し続けるには、テクノロジーに対する前向きのアプローチが必要です。

「技術革新は、現代の小売企業の戦略の基盤となります」と、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのグローバル最高技術責任者のマイク・マレスカ氏は言います。「技術革新により、当社は、現在の市場での重要な地位を維持し、最適な方法でお客様と繋がることができます。ヘルスケアは極めて個人的なことです。当社はサービスをパーソナライズし、お客様にとってより多くの価値を生み出しながら、世界中のヘルスケアを変革させる手段として、テクノロジーを捉えています」

WBAは、業界トップの座を維持するためには、顧客のヘルスケアニーズの変化に絶えずリアルタイムに対応する必要があることを認識しています。これには、オムニチャネル型アプローチを採用する、モバイルやWebベースの小売オプションを使用して買い物をする、新型コロナウイルスの世界的パンデミック時の症状評価のためのチャットボットを作成する、リスクのある顧客を地域の遠隔医療提供者につなげるなど、さまざまなことが含まれます。

WBAは、このような課題に対応するために、イノベーションを促進し、企業の成長に合わせて拡大できる確かなテクノロジー基盤を求めています。2019年1月、WBAは、複数年にわたる複数フェーズのデジタル変革の取り組み、Horizon Projectを推進するために、マイクロソフトとの戦略的提携に合意しました。WBAは、基盤としてMicrosoft Azureクラウドプラットフォームを使用し、社内業務を最適化するだけでなく、新しい医療提供モデルを促進して、より優れた顧客サービスを提供するという、未来への道筋を描いています。

クラウドを最新化のプラットフォームに

WBAのデジタル変革戦略の目的は、業務のあらゆる側面を作り直すことです。第一段階のHorizon 1は順調に進んでいて、IT変革と職場の最新化に重点を置いています。Horizon 2では、小売事業を変革し、Horizon 3では、将来のヘルスケアに向けた新しいビジョンを実現する予定です。この戦略的計画で欠かせないのが、ITリソースをAzureに移行することです。

ティント氏によると、移行先のクラウドプラットフォームとしてAzureを選択したのには、3つの重要な要因がありました。「Azureを選んだ第一の理由はテクノロジーそのものです。Azureは、最新化計画の実施に必要なすべてのツールとリソースを備えた優れたプラットフォームです」と彼は説明します。「2番目の理由は、マイクロソフトとそのパートナーが当社規模の企業に提供できるサービスのレベルです。そして3番目の理由は、クラウドへの飛躍をもたらすイノベーションとリーダーシップの精神です」

Horizon 1のIT変革を支える取り組みの一環として、WBAは、3年かけて、大量のコンピューターリソースを同社のデータセンターからAzureに移行しています。これには、世界最大規模のSAPランドスケープを始め、何百ものアプリケーションが含まれています。WBAは、マイクロソフトパートナーネットワークのメンバーであるアクセンチュアおよびTCSとともに、マイクロソフトおよびSAPと連携しながら、移行に取り組んできました。

WBAは、データセンターではなくクラウドを利用することで、アプリケーションを最新化できました。また、古いオンプレミスアプリケーションを当初構築したときには存在しなかった機能を提供するクラウドネイティブのテクノロジーから、最大限のメリットを得ることができます。「クラウドは、俊敏性、高速性、コスト効率に優れた基盤を構築するための基本的なIT要素です」とティント氏は言います。

WBAは、IT変革に加え、職場の最新化も進めており、Microsoft 365 E5を組織全体の388,760人の従業員に展開し、Microsoft Teamsを利用したセキュリティの強化と、生産性およびコラボレーションの促進を実現しています。WBAは遠隔治療をサポートするために、モバイル機能へのTeamsの組み込みを開始しており、店舗管理者はTeamsを利用して社内会議に参加するようになりました。これは以前のレガシーアプリケーションではできなかったことです。WBAは、TeamsとMicrosoft 365を使ってデジタルワークフォースを強化する新たなユースケースを模索しています。

WBAは、Microsoftクラウドへの投資が業務および開発の効率化につながることを発見しました。「信頼できるクラウドプラットフォームのおかげで、俊敏性と、必要に応じて拡張できるインフラストラクチャを手に入れました」とマレスカ氏は言います。「これからはベンダーと交渉したり、ハードウェアを購入してインストールしたりする必要はありません。コンピューティング能力が必要な場合は、数分でプロビジョニングできます。新しいソリューションにより、新製品の市場投入時間が大幅に削減され、数日から数週間で新しい機能を展開できるようになりました」

主要なビジネスアプリケーションの基盤となるクラウド

WBAは、業務にとって重要な多くのアプリケーションを実行していますが、SAPほど日常業務に欠かせないものはありません。「SAPは事務処理業務にとって非常に重要です」とティント氏は言います。「総勘定元帳、売掛金、買掛金、その他の財務プロセスはすべてSAPで行われています。さらに重要なことは、SAPにより店舗の在庫をリアルタイムに可視化できることで、これはオンラインか店舗かを問わず、最高の顧客体験を提供するうえで欠かせません」

WBAは、円滑な移行のためにパートナーと緊密に連携し、SAPシステムをAzureに移行する際に慎重なアプローチを取りました。この綿密な計画により、2020年1月に、20時間という短い時間でシームレスに移行が完了しました。「私たちは土曜日の夜にシステムをシャットダウンしてSAPの移行を行い、土曜日の朝には業務のためにシステムを再開しました」とマレスカ氏は言います。「およそ100テラバイトのデータをオンプレミスのデータセンターからAzureに移行しなければならなかったことを考えると、この結果に非常に満足しています」

AzureでSAPを稼動させたことで、アプリケーションの応答性が高まっただけでなく、WBAは、クラウドベースのソリューションをより多くの店舗に展開する際に、Azureのフットプリントを拡大し続けるために必要なキャパシティを得ることができました。「オンプレミスのインフラストラクチャでは、キャパシティの限界に直面していました」とマレスカ氏は述べています。「Azureに移行したあとすぐに、CPUの使用率が大幅に低下し、拡大の余地ができたことに気付きました。これにより、より応答性に優れた体験をユーザーに提供できます」

WBAにおけるSAP移行の成功は、SAP、マイクロソフト、アクセンチュア、TCSの見事なコラボレーションを表しています。「すべての企業が1つのチームとして連携することで、最終的な移行がシームレスに行われ、予測できない混乱が生じないようにしました」とティント氏は話します。「現在は、クラウド内に最大規模のSAP S/4HANAインスタンスを配置し、絶え間なく変わるニーズを満たす柔軟性と拡張性を備えています」

WBAのSAP移行の詳細については、このケーススタディ技術的なケースステディを参照してください。

継続性と応答性を向上させるクラウド

WBAは、薬局および医療小売業社として、最前線で新型コロナウイルスに対応しました。他の企業と同様に、WBAは、従業員がオフィスからリモートワークにシフトしたことに伴い、ビジネス継続性の課題に直面しました。WBAは、Microsoft 365を導入し、Teamsが貴重なリソースであることに気付きました。

「ステイホーム中のこの時期に、Teamsによって私たちは業務を続けることができ、とてもうれしく思っています」とマレスカ氏は言います。「当社の従業員はTeamsを迅速に導入することができ、Teamsのコラボレーション促進力に驚いています。レガシーのコラボレーションツールでは、同じ結果は得られませんでした」 

またWBAは、クラウドテクノロジーを使用して、パンデミック中の顧客をサポートしました。「当社はAzureに多くのデータとコーディング環境があるため、今まで以上に迅速に、かつ大規模に、新しい製品やサービスを構築することができました」とマレスカ氏は述べています。「私たちは、必要不可欠なヘルスケアアイテムのドライブスルーショッピングのようなものを始めました。また、かつてない需要の急増を満たすために、eコマースプラットフォームを拡張しました」

パンデミックが始まって間もない頃、多くの人々がウイルスと自身の危険因子に関する情報を求めていたとき、WBAはMicrosoft Healthcare Botサービスを利用して、Walgreens.com Find Care Webページに、新型コロナウイルスのリスク評価を行うチャットボットを構築しました。

「私たちは、医者による診察が必要かどうかを判断しようとしているお客様のストレスを減らすソリューションを構築したいと考えていました」と話すのは、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのヘルスケアサービス担当上級副社長、ジョバンニ・モンティ氏です。「お客様は、政府の医療サイトにアクセスして、そこにあるすべてのルールをチェックするのではなく、一連の簡単な質問に答えるだけで、自身のリスクレベルに関する回答をボットから得ることができます。そして医者による診察が必要な場合は、遠隔医療パートナーの中から医者を見つけられるようにお客様をサポートできます」

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスのデジタルエンジニアリング担当プリンシパルアーキテクトのアンクル・ジャイン氏は、次のように付け加えました。「マイクロソフトがヘルスケアボットサービスの開発にすでに着手していたため、私たちは新型コロナウイルス対応のチャットボットの提供を進めようと決めてから1週間足らずで、本番運用を開始することができました」

顧客はボットがリリースされるとすぐに使用を開始しました。WBAは、政府のガイドラインが変わるたびに、コンテンツを更新し続けました。WBAでは、ブーツの薬局用WebサイトのQ&Aボットなど、別のチャットボットプロジェクトが進行中です。このボットは、処方箋の補充、一般的な店舗情報へのアクセスといった日常業務を、実際に来店せずにデジタルで実行したいという顧客の新しい要望に対応します。

WBAでのボットの使用に関する詳細は、このケーススタディをご覧ください。

イノベーションの基盤となるクラウド

WBAは、マイクロソフトとのパートナーシップを最大限に活用し、イノベーションの精神を業務のあらゆる側面に広げるため、組織全体のテクノロジーの課題を解決する幅広いソリューションを調査、実施しようとしています。WBAは、例えばMicrosoft Azureの機械学習を使用して、顧客がBoots Advantage Cardのロイヤルティプログラムをどのように使用しているかを十分に理解しました。またMicrosoft HoloLens 2を使用して、没入型の複合現実トレーニング体験を提供する取り組みを試験的に行っています。WBAは、在庫管理用のオンプレミスのデータウェアハウスをクラウドに移行後、Microsoft Azure Synapse Analyticsを使用して、より適切な意思決定を促進しています。

WBAは、アプリケーションとデータの大部分をAzureに移行することで、Microsoft Power BIなどのアプリケーションを使用して、データの操作方法を変革しようとしています。「Azureに移行したことで、マイクロソフトが構築したPower BIなどのクラウドネイティブツールを利用して、目指してきたデータ主導型の企業になることができました」とマレスカ氏は述べています。「また、AIや機械学習の機能をより効果的に利用できるところまできています。こうしたことすべてがお客様への理解を深める助けになるため、あらゆる接点でよりシームレスかつスムーズな体験をお客様に提供できます」

Azureへの移行は、慎重に計画し、その複雑性を深く理解して行われたため、WBAに幅広いメリットをもたらしました。「大企業にとって、クラウドへの移行は単なるデータセンターやホスティング戦略の変更ではありません。クラウドへの移行では、IT組織の運用方法を根本から見直す必要があります」とティント氏は言います。「クラウド内での作業には、アーキテクチャやセキュリティ、アプリケーション開発まで、様々なことに対応する様々なスキルセットやアプローチが必要です。成功させるには、適切な人材と適切なパートナーがいなければなりません」

WBAのあらゆる活動と同様に、移行プロジェクトやWBAの最新化への取り組みは、「お客様がより幸せで健康的な生活を送れるようにする」という1つのことに行き着きます。

これまでWBAがお客様に提供できた体験は、システムの構築方法に左右されました」とティント氏は言います。「私たちは、Azureに移行することによって、個々のお客様を体験の中心に据えたカスタマージャーニーを制限なしに構築するという、新しい可能性を切り開いています。問われるのは、もはや何ができるかではありません。何をしたいかです。唯一の限界は想像力です」

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの詳細は、TwitterFacebook(Walgreens)Facebook(Boots UK)LinkedInをご確認ください。

“Azureに移行したことで、マイクロソフトが構築したPower BIなどのクラウドネイティブツールを利用して、目指してきたデータ主導型の企業になることができました。”

マイク・マレスカ氏, グローバル最高技術責任者, ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス

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