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SQL Server の高可用性と災害復旧に関する新しい特典

SQL Server

※このポストは、2019 年 10 月 30 日に投稿されたNew high availability and disaster recovery benefits for SQL Serverに加筆および更新を行ったものです。

Author avatar of Amit Banerjee

SQL Server 担当プリンシパル プログラム マネージャー

ビジネス クリティカルなシステムの計画、設計、実装を行う上で重要な要件の 1 つにビジネス継続性がありますが、そこにデータが絡んでくると、ビジネス継続性は必須要件となります。それは、当分の間保険金を請求せずに済ませたいと考える保険契約のようなものです。

SQL Server は、Windows、Linux、およびコンテナーにインテリジェントなパフォーマンス、可用性、セキュリティをもたらし、BI から AI、オンライン トランザクション処理 (OLTP) からデータ ウェアハウスまで、あらゆるデータ ワークロードに対応します。ユーザーは、ミッション クリティカルな高可用性と災害復旧をもたらす機能によって、ビジネスの SLA に合わせてさまざまなトポロジを取り入れることができます。これまで、ソフトウェア アシュアランス付きの SQL Server ライセンスをお持ちのお客様には、その高可用性構成に応じた SQL Server の無料パッシブ インスタンスを 1 つご利用いただける特典が提供され、それが SQL Server を使用するアプリケーションの総保有コスト (TCO) の削減に役立ってきました。

そしてこのたび当社は、SQL Server の既存のソフトウェア アシュアランス特典を拡張し、SQL Server による包括的なビジネス継続性計画の実施においてお客様へのサポートをさらに強化します。

11 月 1 日から、SQL Server のソフトウェア アシュアランスのすべてのお客様には、現在サポートされているバージョンの SQL Server に対して次の 3 つの拡張特典をご利用いただけるようになります。

  • 高可用性用のフェールオーバー サーバー – フェールオーバー イベントに備えてオンプレミスで高可用性を実現するために、異なるオペレーティング システム環境 (OSE) またはサーバーに複数のパッシブ SQL Server インスタンスをインストールして実行できます。現在は、ソフトウェア アシュアランスのお客様に、高可用性または災害復旧用に無料のパッシブ インスタンスが 1 つ提供されています。
  • 災害復旧用のフェールオーバー サーバー NEW フェールオーバー イベントに備えてオンプレミスで災害復旧を実現するために、異なる OSE またはサーバーに複数のパッシブ SQL Server インスタンスをインストールして実行できます。
  • Azure での災害復旧用のフェールオーバー サーバー NEWフェールオーバー イベントに備えて、Azure で災害復旧を実現するために、異なる OSE またはサーバーに複数のパッシブ SQL Server インスタンスをインストールして実行できます。

Illustration of the three new SA benefits. The first benefit shows free SQL Server instance on-premise for HA , 2nd benefit shows free instance on-premise for DR and 3rd shows free instance in Azure for DR.

これらの新しい特典によって、ソフトウェア アシュアランスのお客様は、パッシブ レプリカのライセンス コストを新たに支払わなくても、AlwaysOn 可用性グループなどの機能を使って SQL Server によるハイブリッド型の災害復旧計画を実施できるようになります。

以下の画像の構成では、12 個のコアを使用するオンプレミスの SQL Server 展開の災害復旧用レプリカとして、12 個のコアを使用する Azure Virtual Machine 上で実行されている SQL Server を利用しています。これまでは、オンプレミスと Azure Virtual Machine 展開の両方に SQL Server の 12 コアに対するライセンスが必要になりました。しかし新しい特典では、Azure Virtual Machine 上で実行されるパッシブ レプリカが特典として提供されるため、今後は Azure Virtual Machine 上のパッシブ レプリカに対する災害復旧の基準を満たしている限り、オンプレミスで実行されている SQL Server の 12 コアに対してのみライセンスが必要になります。

A comparison of old licensing rule and new ones with the SA benefits for Azure DR. It shows that with new SA benefits, you don’t have to license DR cores in Azure for the number of SQL Server instances running on-premises.

以下の画像のプライマリまたはアクティブ レプリカでは、12 コアを使用して 2 つの仮想マシンをホストしています。このトポロジには 2 つのセカンダリ レプリカがあり、1 つは自動フェールオーバーに対応している高可用性用の同期レプリカで、もう 1 つは自動フェールオーバーには対応していない災害復旧用の非同期レプリカです。新しい特典の発表に伴い、このトポロジを実行するために必要な SQL Server コア ライセンスの数が、以前は 24 コアだったのに対してわずか 12 コアで済みます。

A comparison of old licensing rule and new ones with the SA benefits for on-premise HA/DR. It shows that with new SA benefits, you don’t have to license HA and DR cores on premise for the number of SQL Server instances running on-premises.

SQL Server 2019 には、可用性、パフォーマンス、セキュリティの面で多くの機能向上が行われたほか、HDFS や Apache Spark™ と SQL Server データベース エンジンとの統合などの新機能が加わりました。ぜひ、SQL Server 2019 を今すぐお試しいただき、マイクロソフトの業界をリードするソフトウェア アシュアランス特典を利用して確実なビジネス継続性計画を策定してください。

高可用性と災害復旧に関する上記の特典は、SQL Server の全リリースに適用されます。

高可用性と災害復旧に関する特典以外にも、パッシブ レプリカに対して次のようなことを実行できます。

  • データベースの整合性チェック
  • ログのバックアップ
  • 完全バックアップ
  • リソース配分状況の監視

最新の特典は、マイクロソフトのライセンス条項の次回更新で提供されます。

詳細

SQL Server 2019 概要
SQL Server 2019 の新機能
SQL Server 2019 のエディションと機能 (英語)
マイクロソフトのライセンス条項の関連資料

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