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業界

迫り来る IoT の人材不足に対処する

※このポストは、9月16日に投稿された Addressing the coming IoT talent shortage の翻訳です。

※このブログは、マイクロソフトの最新の調査 IoT Signals に焦点を当てたシリーズ第三弾となる記事です。毎週、新しい最重要トピックを取り上げ、さまざまな業界の IoT 導入の現状、ビジネス リーダーが独自の IoT 戦略を策定する方法、企業が IoT を用いてパートナーや顧客向けのサービスを改善すべき理由に関する洞察を提供します。

さまざまな企業がモノのインターネット (IoT) の可能性について調査を実施する中、これらの企業が直面している課題の 1 つとして、人材不足の問題が非常に深刻化していることが挙げられます。マイクロソフトの最新の調査 IoT Signals では、シニア リーダーの懸念や計画について深掘りして検証しています。マイクロソフトでは、IoT に関わる、中国、フランス、ドイツ、日本、米国、イギリスの企業の 3,000 人の意思決定者を対象に調査を実施しました。

 

今日の企業における IoT スキルのニーズに関する調査

今日の IoT に関する課題は、その大半が人材やスキルに関連しています。マイクロソフトの調査によると、”十分な人材とリソースを確保できている” と回答している IoT 導入企業はわずか 33% であり、32% が “十分な人材とリソースを確保できていない” と回答し、35% が “どちらとも言えない” または “リソースに関する問題についてわからない” と回答しています。世界で人材不足に関する問題が最も深刻なのは米国 (37%) と中国 (35%) です。

また、IoT スキル不足の問題に悩まされている 32% の企業は、妨げとなっている主な課題として、知識不足 (40%)、技術的な課題 (39%)、予算不足 (38%)、適切なソリューションを見つける能力がないこと (28%)、セキュリティ (19%) を挙げています。

 

企業のIoT技術人材の保有度合いを示したチャート

企業は、新しい人材を雇用するという形では、どの能力を購入すべきか、人材の能力を向上させるのであれば、どの能力を強化すべきか、または戦略的なパートナーシップを築く場合は、どの能力を外注化すべきかの判断が求められるようになります。たとえば、IoT 領域の評価を行っている大半の企業は、ソフトウェア開発や接続の専門家ではありません。したがって、これらのサービスに関しては、おそらくパートナー企業に頼ることになるでしょう。

 

十分な人材確保が IoT 企業の形勢を一変させる

マイクロソフトの調査では、適切なチームと人材の確保が IoT の成功では重要であることがさまざまな指標から明らかになっています。まず、十分なリソースを確保している企業の方が、そうでない企業よりも、将来成功を収めるうえで、”IoT が非常に重要である” と回答したのは、51% 対 39% でした。苦境に立たされ、IoTを導入できない企業では、”IoT が比較的重要である” と回答したパフォーマンスの高い IoT 企業はわずか 41% であるのに対して、パフォーマンスの低い企業の 48% がこれに同意しています。

同様に、優秀な IoT チームを保有している企業は、IoT をより効果的な投資と見なしており、”現在の ROI の 28% が IoT (コスト削減や効率化もこれに含まれる) によって実現されている” と回答していますが、そうでない企業に関しては 20% でした。おそらくはこうした背景から、適切なチームを保有している企業の 89% が “今後 IoT の利用を強化する予定である” と回答し、一方で、十分なリソースを確保できていない企業の回答は 75% でした。

 

IoT の人材不足は失敗の確率を高めるおそれがある

学習曲線が高く、長期的な取り組みや多額の投資が必要であることを考慮すると、どのような企業であっても、IoT を軌道に乗せるのは大変かもしれません。人材やリソースが不足している企業に至っては倍の労力になります。IoT Signals により、十分な人材やリソースを確保できていない企業は、概念実証フェーズで失敗する確率が高くなることが明らかになっています。適切なチームを保有している企業が失敗する確率が 25% であるのに対し、十分な人材やリソースを確保できていない企業の場合は 30% です。IoT の成功率が高い企業では、IT 担当者 (IT 担当ディレクター、最高技術責任者、最高情報責任者など) がイニシアチブを指揮しています。リーダーのサポート、明確な体制、予算をすべて兼ね備えた IoT 組織は、平均 9 か月で運用段階に到達できますが、スキルを備えた人材やリソースが不足している IoT 組織の場合、平均 12 か月です。

 

比較的リソースの少ない企業のIoTに対する認識を示したチャート

 

企業リーダーは、最初の挑戦であっても、おそらく途中で投げ出すようなことはしません。ビジネス エグゼクティブやテクノロジ エグゼクティブは、IoT が戦略的なビジネス上の重要課題であり、市場で競争するうえで IoT の必要性がますます高まっていくことを認識しています。今は、適切なチーム、ツール、リソースを準備することで、チームの不満、燃え尽き症候群、リーダーのコミットメントに関する問題を防ぐことが可能になっています。

 

よりシンプルなプラットフォームでスキルの問題を克服

現在は、完全にホストされた SaaS プラットフォームなどの業界のトレンドにより、デバイスの接続や管理、統合ツールおよびセキュリティの提供、分析の実現などの IoT プログラムを構築するプロセスの複雑さが軽減しています。

フル マネージドの IoT プラットフォームである Azure IoT Central は、誰でも数時間以内に IoT イニシアチブを構築し、ビジネス チームや他の技術部門以外の人々が簡単に習得して貢献できるように設計されています。Azure には、IoT デバイスをクラウドにシームレスに接続するためのオープン モデリング言語を提供する IoT プラグ アンド プレイが含まれています。

また、マイクロソフトは、パートナー エコシステムと協力しながら、IoT 導入の主な阻害要因を克服できるよう支援する業界固有のソリューションを構築するとともに、IoT スクール (英語) や AI ビジネス スクールなどのトレーニング ツールへの投資を行っています。マイクロソフトは、最速で、最大規模のパートナー エコシステムの 1 つを保有しています。1 万を超えるマイクロソフトの IoT パートナーがさまざま業界の専門知識を提供し、接続、セキュリティ インフラストラクチャ、およびアプリケーション インフラストラクチャの要件への対応を支援します。これにより、お客様は、より迅速に価値を実現できます。

さらに詳しく、グローバル企業が IoT を活用して価値を創出している方法をお知りになりたい場合は、IoT Signals レポートをダウンロードして頂き、ThyssenKrupp、Bühler、Chevron、Toyota Material Handling Group などの企業が推進する IoT プロジェクトに関する Transform ブログ  をご覧ください。