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業界

データの透明性を高め、ESG に関する報告の準備を整える

※本ブログは、米国時間 2023 年 3 月 21 日に公開された Get ready for ESG reporting with increased data transparency の翻訳です。

シニア ビジネス リーダーは皆、測定できないものは管理できないことを知っています。より優れた洞察が、より優れた情報に基づいた意思決定を実現するのです。

2024 年、世界中の組織が、ESG (環境、社会、ガバナンス) に関する影響と進捗状況の透明性を高めることを目的とした、規制機関への報告に関する新しい要件に対応しなければならなくなります。多くの場合、その対応には、さまざまな業務およびバリュー チェーン全体にわたるよりきめ細かいデータの収集が必要になります。しかし、これを負担としてではなく、チャンスとして捉えるべきです。ビジネス全体にわたるさまざまなアクティビティの可視性を高めることで、意思決定者は、ESG と業績の両方を向上させ、長期的な競争力を強化できます。

投資家は徐々に ESG を投資戦略に組み込むようになっており、消費者はサステナビリティをより重視するようになっています。これにより、あらゆる組織においてアクションや進捗状況を示すことが必要不可欠になっており、ビジネス、人々、そして地球に良い影響がもたらされています。

既に多くの組織が、独自のスケジュールで、そして独自に選定したパラメーターに照らして、サステナビリティ レポートを自主的に発行していますが、新しい政策により、環境、コミュニティ、従業員、消費者への影響について明らかにし、企業ガバナンスの手法やパフォーマンスについて明記した、公開用の監査を受けた確かな ESG レポートの作成が必要となります。信頼性の高いレポートを生成するには、データの収集方法と分析方法について再考する必要があります。

Microsoft Cloud for Sustainability

環境への影響の記録、報告、削減を実現します。

今すぐ開始

2022 年 12 月に採択された欧州連合の CSRD (企業サステナビリティ報告指令) (英語) に基づく、施行予定の新しい法令により、約 5 万の組織が規制機関に対して ESG レポートを提出しなければならなくなり、多くの組織が初めてこれを実施することになります。また、CSRD のガイドラインにより、気候変動の軽減策と対応策、水、循環経済、生物多様性、人権、機会均等、およびこれらのトピックに関連するロビー活動に関するさまざまな要因についての情報を開示することが企業に義務付けられます1。CSRD に加えて、英国では、金融企業向けの ESG に関する報告の一元化を目的とする SDR (サステナビリティ情報開示要件) (英語) が今年中にまとめられる予定です。他の国や地域でも、新しい ESG に関する報告要件のレビューと提案が行われています。

多くのお客様やパートナーと同様に、マイクロソフトもこうした規制の進化への対応を慎重に進めていますが、マイクロソフトにとってサステナビリティに関する報告は目新しい取り組みではありません。マイクロソフトは、CDP などの自主開示レポート (英語) で平均的に A 評価を取得しており、サード パーティによる監査を受けたサステナビリティ レポートを毎年公開しています。自社の経験から、大規模な (さまざまな業務およびバリュー チェーン全体にわたる) データの収集と分析には、自動化が進むデータ ドリブンのデジタル テクノロジが必要になることがわかりました。そのため、マイクロソフトは、新しいルールが自社の報告の対象範囲にどのような影響を及ぼすか調査すると同時に、お客様が同じことを行えるよう支援しています。

ESG の進捗状況の推進と報告には、効果的なデータ管理が必要

組織のインフラストラクチャの成熟度にかかわらず、ESG の影響、リスク、機会の報告に関する進化した標準により、データ管理のシステム、プロセス、制御の改善 (場合によっては再構築) が必要になります。履歴データやサイロ化されているデータへの依存は、正確性、関連性、一貫性に関する問題をもたらします。これらはすべて、統一感のあるレポートや情報に基づいた意思決定を妨げるものです。

Microsoft Cloud for Sustainability は、さまざまな業務およびバリュー チェーン全体にわたるさまざまなソースのデータの標準化に役立ち、ESG の基準のさまざまな排出係数に照らした計算を実現し、財務、業務、サステナビリティに関する統合インテリジェンスを提供します。マイクロソフトは、お客様がスコープ 1、2、3 の排出、水データなどを追跡し、報告、ガバナンス、説明責任を向上させ、サステナビリティのパフォーマンスを促進できるようにするため、マイクロソフトのグローバルなパートナー エコシステムを通じて、Microsoft Cloud for Sustainability 内の ESG 機能を急ピッチで拡張しています

統合データ戦略で ESG の変革を推進

マイクロソフトは、データ プラットフォームの最新化とスケーリングを行うことで、長期的な成功を収める万全の体制が整うと信じています。高度なデジタル ソリューションを利用することで、ESG に関するリスクや進捗状況を追跡して報告するのに必要なデータを効果的に管理しながら、永続的変化をもたらすうえで不可欠となる組織のデジタル変革を推進することが可能になります。

市場をリードする組織は、プラットフォームやシステムに依存せず、さまざまなデータを標準化する、最新のサステナビリティ データ資産でデータを統合しています。これらの組織は、アプリケーション プログラミング インターフェイス (API) のネットワークを利用して “結合組織” を実現し、必要なインテリジェンスの入手を可能にしています。Azure Data Lake などのデータ レイクで包括的な ESG データ資産を構築することで、さまざまな部署およびサプライ チェーン全体にわたる環境データ、財務データ、業務データを集約し、Azure Synapse Analytics による高度な分析のためのデータのステージングを行うことが可能になります。

データベース、分析、ガバナンスの統合により、以下が可能になります。

  • ほぼリアルタイムにレポートを作成することで、タイムリーな洞察、より効果的なリスク管理、メトリックに基づいた意思決定を実現できます。  
  • AI の基盤を構築できます。
  • よりサステナブルな方法で成長を管理できます。

整理されたデータ資産により、従業員は、断片化されたデータの理解に費やす時間を減らし、価値の創造により多くの時間を費やすことが可能になります。

マイクロソフトの製品でデータを整理

マイクロソフトは、現在、お客様がサステナビリティの取り組みのどの段階にあっても、新しい ESG に関する報告の期待事項に対応し、サステナビリティの進捗状況を加速できるよう支援できます。必要なデータを特定し、そのデータへのアクセスを確保し、そのデータを収集して整理するには、時間がかかります。多くのお客様と同様に、お客様は、既に排出データや水データに関する洞察をまとめるために既に積極的に取り組んでいる可能性もあれば、労働条件や人権などの社会的要因、およびリーダーシップの説明責任や意思決定などのガバナンス要件の文書化を開始したばかりである可能性もあります。

CSRD などの指令による影響を直ちに受けるかどうかにかかわらず、報告に関する新しいガイドラインの対象範囲について理解することで、競争力を高め、市場の需要により迅速に対応する準備を整えることができます。マイクロソフトは、分散されたデータ戦略の統合、ガバナンスの向上、または影響削減の推進を目標とするお客様をサポートするデータ ドリブンのテクノロジとガイダンスを提供します。

マイクロソフトは、すべての人および組織がデータを制御し、データの使用方法に関する選択を行うことを可能にする、透明性とデータの選択の価値を信じています。

マイクロソフトとマイクロソフトのパートナー企業 (英語)は、データの力を引き出し、データ資産を最新化できるようお客様を支援する万全の体制を整えています。マイクロソフトは、データの可視性を高めると共に、規制の変化に対応し、地球や社会に及ぼす影響を軽減させ、ビジネスを変革して、変化し続ける環境で成功を収めることを可能にする有意義な洞察をもたらす統合戦略の策定を支援できます。

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1CSRD のガイドラインの対象範囲は、EU の境界外にも広がっており、EU とビジネスを行う企業または EU 内でビジネスを行う企業、およびバリュー チェーン全体のコンプライアンスが対象に含まれています。報告の要件とスケジュールは、企業の種類ごとに異なり、EU の大手上場企業の場合、2024 年 1 月から早々に開始される可能性があります。CSRD のガイドラインの対象となる企業は、ESRS (欧州サステナビリティ報告基準) に従って報告を行う必要があります。2023 年 6 月までに、欧州委員会により、詳細な報告に関する標準が採択される予定です。こちらのサイトでも詳細情報をご確認いただけます。