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Microsoft 365
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現代の職場における IT の簡素化

組織のインフラストラクチャに対する最大の脅威の 1 つを説明する簡単な言葉があります。それは、複雑性です。

複雑性はセキュリティと生産性に対する明確な敵です。生産性とセキュリティのソリューションがシンプルであればあるほど、IT 部門は管理とセキュリティの維持が容易になり、ユーザー エクスペリエンスは洗練され、使いやすいものになります。Microsoft が世界中の 200 を超えるクラウド サービスの構築、運営から学んだことは、本当の意味で最先端かつ安全なサービスはシンプルなものであるということです。

Microsoft 365 は、複雑性の問題を解決して簡素化できるように作成されています。しかし、ここで明確にしておきたいのは、簡素化により堅牢性や機能は低下しないということです。

私たちはお客様との数千に及ぶ対話から、Windows PC、モバイル デバイス、クラウド サービス、オンプレミス アプリの全体にわたって、IT 部門がユーザーをサポートする方法を簡素化することが重要であることを学んできました。Microsoft 365 は、従来よりもシンプルでありながら、より強力でインテリジェントな統合ソリューションとして、これらを全面的に実現します。

お客様の働き方や業務の進め方が Microsoft にとって大きな意味を持つため、私たちの仕事に終わりはありません。Microsoft は、革新、改善、新しく優れた方法の追求を絶え間なく進めることで、お客様の組織がより多くの成果を上げられるようにお手伝いいたします。本日は、次の新しい機能と更新が近日中に Microsoft 365 に登場することを発表します。

  • モダン デスクトップ
  • Firstline Worker 向けソリューション
  • 効率化されたデバイス管理とコストの削減
  • 統合管理環境
  • コンプライアンスの組み込み

これらの各新機能により現代の職場が簡素化され、それがユーザーの満足と強化につながり、ひいては IT 部門が会社の資産を防御し、安全に保つことができるようになります。

時代はモダン デスクトップへ

「モダン デスクトップ」とは何を意味しているのでしょうか?

モダン デスクトップは、Windows 10 と Office 365 ProPlus に支えられており、クラウドを利用した分析情報とセキュリティによって常に最新バージョンにアップデートされます。数年間の改良を経て、Microsoft はこれが企業にとって最も生産性が高く安全なコンピューティング環境であると考えています。きわめて充実したユーザー エクスペリエンスが提供されるだけでなく、IT 部門もデバイスとデータを従来よりも低コストで管理できます。

本日は、モダン デスクトップの管理のために提供する機能拡張を 2 つ発表します。

1 つ目の配信の最適化は、Windows 10 April 2018 Update に含まれます (詳細については Yusuf のブログで、こちらも今日から確認できます)。

配信の最適化は、1 台のデバイスで更新プログラムがダウンロードされると、ローカル ネットワークを使用してその更新プログラムを他のデバイスにも配信できるというものです。これによって帯域幅を大幅に (最大 90%) 削減でき、ネットワーク上の全員のエクスペリエンスが向上します。

Windows 10 April 2018 Update では、Windows Analytics を使用することにより、有効になっているデバイスの数や節約できた帯域幅など、配信の最適化の状態を監視できます。

Windows Analytics を使用して配信の最適化のステータスが表示されているタブレットの画像

Windows Analytics を使用した配信の最適化

2 つ目は、先日発表した Readiness Toolkit for Office (RTO) です。これは、Office VBA、マクロ、アドインの互換性を高めます。Application Health Analyzer (AHA) ツールは、社内で開発したアプリの依存関係を調べることができ、Windows 10 の更新プログラムとの互換性を維持するために役立ちます。今後数か月のうちにパブリック プレビューが開始されます。

ConfigMgr もまた、多くのユーザーがサービス プロセスを管理していることを考えると、重要な役割を果たします。実際に今週、1 億 1,500 万台のデバイスが ConfigMgr の管理下に置かれたことを記録しました。ConfigMgr の新しい 1802 リリースでは、フェーズ化展開リングを実行する機能が追加されます。この機能は Windows 10 および Office 365 ProPlus の保守の自動化をさらに進めるもので、IT 部門が定義したグループが 1 つずつ更新され、最初の展開が正常であると確認されると、自動的に次のグループの更新が開始されます。

ただし、クラウドへの移行の段階は組織によって異なるということも認識しています。近い将来にクラウドに移行する準備がまだ十分に整っていないお客様をサポートするために、Office 2019 を 2018 年の後半にリリースします。Windows 10 上の Office 2019 アプリケーションの法人向けプレビューは、本日から開始します

最後に、2 月にお知らせしましたとおり、あと 2 年で Windows 7 と Office 2010 の延長サポートが終了します (2020 年の 1 月と 10 月)。今こそ、Microsoft 365 によるモダン デスクトップ環境への移行とアップグレードを計画し、加速する絶好の機会です。

Firstline Worker 向けソリューションとキオスク

ロビーにいる顧客に対する場合でも組織の Firstline Worker 向けでも、Windows キオスク デバイスが組織のブランド、製品、サービスを表す最初の存在になることは珍しくありません。IT 部門は、Firstline Worker と顧客対面型のどちらのキオスクについても、デバイスを設定、管理するためのより簡素化されたプロセスを必要としています。

今回、割り当て済みアクセス権の機能を Windows 10 向けに拡張したため、Microsoft Intune を使用して、1 つまたは複数のアプリ シナリオに合わせてキオスク デバイスを簡単に展開、管理できるようになりました。これには、Microsoft Store から入手できる新しい Kiosk Browser も含まれます。Kiosk Browser は、小売業や電子看板などのシナリオで、信頼性の高いカスタマイズされたブラウジング環境を提供する場合に適しています。

Microsoft Store から入手可能な Kiosk Browser が表示されているタブレットの画像

Kiosk Browser は Microsoft Store から入手できます。

Microsoft は来年にかけて、キオスク展開の効率を上げ、信頼性の高い Firstline Worker 環境を実現するためのキオスクの初期機能を提供するための機能を追加します。これらの投資の詳細については、Windows IT Pro ブログをお読みください。

キオスクと Firstline Worker デバイスは、Windows 10 を S モードで展開した場合に安全性、弾力性、性能が最も高くなります。Windows 10 April 2018 Update により、Windows 10 Enterprise は S モードに設定できるようになるため、Credential Guard と Application Guard の両方を展開でき、Microsoft Store、Cortana などを一元管理することができます。これらすべてを Microsoft 365 サブスクリプションで利用できます。

さらに、ライセンスも簡素化して、iOS および Android 向け Office モバイル アプリを Office 365 E1、F1、Business Essential の各ライセンスに含めます。この変更により、Firstline Worker など、Microsoft 365 および Office 365 のライセンスを持つすべてのユーザーは、Office モバイル アプリを使用して外出先でも仕事を進めることができます。現在、iOS および Android 版 Outlook が利用できます。WordPowerPointExcelOneNote のモバイル アプリは、今後数か月の間に提供を開始します。

デバイス管理を低コストで合理化

最新の管理手法によってデスクトップ イメージの管理プロセスが劇的に削減、簡素化され、貴重な時間と費用を節約できます。

Windows AutoPilot は、現代の職場で必要とされる柔軟なデバイス管理手法の主要部分にあたります。新しいデバイスを用意し、電源を入れ、資格情報を入力したら、後はクラウドから設定と管理が行われるのを待つだけで、ユーザーや IT 部門の手間は最小限で済みます。イメージを管理する必要はありません。

Windows 10 April 2018 Update から、Windows AutoPilot には登録状態のページが用意されます。このページを使用すると、ユーザーがデスクトップを開き、デバイスを操作する前に、デバイスに初期設定のポリシー、設定、アプリを展開できます。これによって IT 部門は、すべてのデバイスのコンプライアンスとセキュリティを使用前に整えることができます。

Windows AutoPilot の登録ステータスのページが表示されているタブレットの画像

Windows AutoPilot の登録ステータスのページ

Lenovo は、他社に先駆けて Microsoft OEM PC パートナーになって Windows AutoPilot の登録サービスと直接連携することを発表しました。Lenovo は世界中で利用できるように準備中で、初期のパイロット版の顧客と共同で作業を進めています。Dell も現在、米国といくつかの国の顧客向けに Windows AutoPilot を搭載した Windows PC を出荷しており、顧客に代わってデバイスをプロビジョニング用に工場で登録しています。HP、東芝、パナソニック、富士通は、秋には各社の Windows PC で Windows AutoPilot を通じて顧客に Windows 10 をシームレスに展開できるように、引き続き取り組んでいます。

Windows AutoPilot は、現在の状況を根底から変えます。これによって展開がどのように簡素化され、ハードウェアのプロビジョニングにかかる大量の時間と費用を削減でき、ユーザーがそのシンプルさを歓迎するか、ぜひご確認ください

統合管理環境

構築しているクラウド サービスに関して Microsoft が持つビジョンは、さまざまなユーザー、デバイス、アプリ、サービスを対象とする統合された直観的な管理環境によって、業務を簡素化するということです。

今年の 3 月、Microsoft 365 の実装全体に対する共通の管理エントリ ポイントとなる Microsoft 365 管理センターの発表により、私たちはこの方向に大きく踏み出しました。本日は、この統合された直観的な管理環境を Office 365 ユーザーにも拡張します。

Microsoft 365 管理センターが表示されているタブレットの画像

Microsoft 365 管理センター

Office 365 と Microsoft 365 のどちらのユーザーも、同じ管理センターにアクセスして同じ機能を利用できるようになりました。Office 365 ユーザーにとっては、管理エクスペリエンスがシンプルになり、他に利用している Microsoft サービスとの統合が容易になりますが、機能や制御はすべてこれまで同じです。

Microsoft 365 の管理は、admin.microsoft.com にアクセスするだけです。今までは、Microsoft 365 を管理している IT 担当者は、複数のコンソールを使用する必要がありました。それが解消されるのです。

組み込みのコンプライアンス

コンプライアンスを管理する複雑さと難しさは、大きな組織では、ときに手に負えなくなることがあります。Microsoft は、データのアーカイブ、保持、廃棄、分類、検出を規定する規制に沿った機能を Microsoft 365 に組み込み、継続的に更新していくことにしました。これらの新機能は、コンプライアンス ワークフローの複雑さを軽減する大きな力になります。

Microsoft 365 セキュリティ/コンプライアンス センターが中心的な場所であり、Azure Active Directory、Microsoft ExchangeSharePointTeams と統合されています。ここで、保持やコンテンツ検出を目的としたデータのインポートを、複数のクラウド サービスにまたがって行うこともできます。

Microsoft 365 セキュリティ/コンプライアンス センターが表示されているタブレットの画像。

Microsoft 365 セキュリティ/コンプライアンス センター

先日、私たちはセキュリティ/コンプライアンス センターに次のような新機能を追加しました。

  • [データのプライバシー] タブ。一般データ保護規則 (GDPR) のために満たす必要がある要件の一部として、データ主体要求を実行できます。
  • Privileged Access Management。Microsoft 365 での管理者ロールとタスクに Just-In-Time アクセスを提供することにより、永続的な管理者特権を回避できます。
  • Microsoft 365 の Multi-Geo Capabilities。データにとって適切な地球上の場所とコンプライアンスのニーズに基づいて、データの保管場所をユーザーごとに制御できます。
  • 新しいアドバンスト データ ガバナンス制御。イベントに基づいて保持と廃棄を実行します。

セキュリティ/コンプライアンス センターに加えて Microsoft 365 の各アプリも、必要なレベルのコンプライアンスに適応しています。このリストに加わる最新のアプリケーションが、調査、質問、投票を作成できるシンプルなアプリである Microsoft Forms です。お客様が必要としてくださることに支えられ、Forms は教育分野で 300 万人を超える人々に利用されており、昨年法人向けプレビューに移行しました。SOC コンプライアンスを受け、Forms はプレビュー期間に 5 万社を超える企業からフィードバックをいただき、大企業にも対応できるようになり、すべての法人ユーザーに一般提供されています。詳細については、Forms Tech Community を参照してください。

IT の簡素化

本日このような機能をお知らせできることを、心から嬉しく思います。これらの更新内容は、デスクトップ、デバイス、サービス、コンプライアンスに関して Microsoft 365 の利用方法を進化させるものであり、IT 組織が管理する多くの対象でメリットを直接感じることができるでしょう。

ここでは、IT 管理を簡素化するために今すぐできることをいくつか示します。

  • Windows 7 と Office 2010 のサポート終了 (それぞれ 2020 年の 1 月と 10 月) に備えて、モダン デスクトップにアップグレードする。
  • Windows Analytics に申し込み、Upgrade Readiness を有効にし、デバイスを登録して、最新の Windows にアップグレードする。
  • Windows AutoPilot の展開を始める計画を立て、実行する。
  • 新しい Microsoft 365 管理センター環境に慣れる。
  • セキュリティ/コンプライアンス センターとコンプライアンス マネージャーの使用を開始して、規制に対するコンプライアンスとコントロールを追跡する。

また、Microsoft 365 による IT 管理の簡素化を進める過程では、Microsoft FastTrack が役立つということも覚えておいてください。

簡素化すると、管理、設定、連携、セキュリティ保護の対象が減り、ひとことで言えば分析の対象が少なくて済みます。これは、誤りの発生する場所が減り、設定の間違いから生まれる攻撃者が入り込める場所が減ることを意味します。これによってユーザー エクスペリエンスも IT 部門による制御も向上します。

IT の簡素化は、より低いコストでセキュリティを高めること、そして、より少ないリスクで生産性を高めることにつながるのです。