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テクノロジを現場の最前線の立て直しに役立てる 3 つの方法

フロントライン ワーカーの数は 20 億人、全世界の労働者の 80% を占めています。これらの人々は感染症の世界的な大流行の中でリスク、疲弊、継続的な混乱に耐えてきました。操業停止から新たな安全プロトコル、増えた作業負荷と先細りする在庫量に至るまで、現場の最前線は常に課題に直面しています。この数週間は、特に状況が厳しいものとなっています。医療従事者には感染症大流行の新たな波が押し寄せ、航空会社が人員不足のため欠航を決めたフライトの数は過去最多となっています。そして残念ながら、見通しはあまり明るくないようです。最新の Work Trend Index スペシャル レポートによれば、フロントライン ワーカーの 58% は、次の 1 年も仕事のストレスは変わらないか悪化すると考えています。

しかし、悲観と落胆ばかりではありません。今ほど、現場の最前線を長期的な成功に向けて立て直す新しい戦略とソリューションを取り入れるのに適した、あるいはそれが求められている時はないでしょう。その戦略とは、働く人々のウェルビーイングを最優先すると同時に生産性を最大化するというものです。成功を収めている企業は、現場の最前線をエンパワーメントすることが自社の業績向上への鍵であることを理解しています。そしてバランスの取れたアプローチでビジネスに臨み、より良い成果を達成しています。Work Trend Index スペシャル レポートによれば、企業が注力すべき領域は次の 3 つです。

  1. 従業員のために、ストレスとシステムの摩擦を減らすテクノロジを用意する。
  2. トレーニングを優先事項とし、モダン化する。
  3. 現場の最前線を排除しない企業文化を作る。

Microsoft は、フロントライン ワーカーの力となるソリューションを構築しています。最前線で働く人々が互いにコミュニケーションを取り、シフトのスケジュールを組み、タスクを実行するために、およびその他多数の場面に活用されています。このようなソリューションの提供は、長年にわたり私たちの使命の一部となっています。たとえば、Kendra Scott のようなお客様の本社と現場の最前線をしっかりとつなぐことをお手伝いし、Blum のようなお客様のためにシンプルな統合型の従業員エクスペリエンスを作っています。本日、Work Trend Index の調査結果公開に合わせて発表する新たなテクノロジ イノベーションとパートナーシップの強化は、ストレスを軽減し、トレーニングをモダン化し、現場の最前線における文化を再構築することを目的としています。

1. 従業員のために、ストレスとシステムの摩擦を減らすテクノロジを用意する

新しいデータが示しているように、テクノロジが現場の最前線の毎日をより良いものにしてくれるという楽観の傾向があるようです。フロントライン ワーカーの 63% が、テクノロジによって創出される就業機会を喜ばしく思っています。また、仕事に関係するストレスを軽減する要因のランキングでも、給与の増額と休暇に次いで第 3 位となっています。Microsoft 自身の生産性データでも、この変化がパンデミック (感染症の世界的大流行) によっていかに加速したかが明らかになっています。2020 年 3 月から 2021 年 11 月までの間に、フロントライン ワーカーによる Microsoft Teams の使用量は 400% 増加しました

現場の最前線が労働力不足やサプライ チェーンの混乱といった継続的な制約に直面するなかで、求められているテクノロジとは、働く人々の時間を節約し、よりシームレスなコミュニケーションを手助けし、繰り返し型のタスクを遂行するときの効率を最大化してくれるものです。

パートナーである Samsung のラグド デバイスのポートフォリオに加えて、現在では Zebra Technologies との戦略的パートナーシップも強化しています。本日、Teams の中の "トランシーバー" アプリが多彩な Zebra 製モバイル デバイスでの一般提供を開始しましたことをお知らせします。これに含まれる製品は、ラグド タイプでどこにでも持ち運べる TC シリーズ、顧客向けのコンパクトな EC シリーズ、究極のスキャン用デバイス MC シリーズなどがあります。このコラボレーションによって、Teams のデジタル トランシーバー機能が Zebra 製デバイスの専用 PTT (プッシュツートーク) ボタンで起動できるようになり、フロントライン ワーカーが明瞭な音声での安全なコミュニケーションを即座に手元で開始できます。"トランシーバー" アプリは、Android モバイル デバイスに加えて iPhone や iPad などすべての iOS モバイル デバイスでも提供を開始しました

“このパートナーシップで、現場の最前線で働く人々のための機能を提供できるようになったことを嬉しく思います。これらのデバイスを使ってシームレスなコミュニケーション、コラボレーション、生産性の発揮が、条件を問わずできるようになります。”—Zebra Technologies 最高経営責任者 (CEO) Anders Gustafsson 氏

Zebra トランシーバー機能のスクリーンショット。内蔵の PTT ボタンを Microsoft Teams とともに使用できます。

トランシーバー機能が一体化された Zebra 製デバイスと、iOS 版トランシーバー アプリの一般提供を開始しました。

多くの業種で労働力不足が続いているため、チームのシフトのスケジューリングは一段とやっかいになっています。通常どおりにシフトに人員を配置することを、以前よりも少ない人数で達成しなければならないからです。どのテクノロジ ソリューションが職場のストレス軽減に役立つかという質問に対して、最も多くの回答者を集めた選択肢はチームのスケジュール管理 (37%) でした。

働く人々が引き続き、自分のスケジュールを柔軟に、自分のやり方で管理できるようにするために、本日一般提供開始を発表する Reflexis シフト コネクタ for Teams で Reflexis Workforce Scheduler (RWS) との統合が可能になります。シームレスな、リアルタイムの同期を通してシフト リクエストを表示し、割り当てて管理することができます。ワークフォース管理分野の代表的ソリューションである RWS の特徴は、ターゲットを定めた柔軟なスケジューリング管理です。Teams との組み合わせによって、RWS は働く人々の自律を推進し、スケジューリングを最適化します。最前線で働く人々が自分のスケジュールにいつでも同じ方法で、柔軟にアクセスできるしくみを組織が作ることができます。 

1 台のタブレットに Zebra Reflexis Workforce Management システムの画面が表示され、1 台の Zebra 製モバイル デバイスに Teams のシフト アプリが表示され、両方が同じシフト交換情報を示しています。

Reflexis シフト コネクタ for Teams の一般提供開始は 2022 年 1 月を予定しています。

現場の最前線のストレス軽減に役立つと考えられるテクノロジ ソリューションのトップ 5 を見ると、面会予約 (アポイントメント) 管理も入っています。面会が対面からバーチャルに移行するケースが増えるにつれて、この領域は大きな変革を遂げています。現在では、包括的なビューでバーチャル面会予約をまとめて 1 つの場所で見ることができます。待ち時間がリアルタイムで更新されるほか、順番待ちリスト、無断キャンセル、人員配置遅れなどの情報も見ることができるので、顧客や患者のために最高レベルのエクスペリエンスを作ることができます。 

1 台のタブレットに、バーチャル面談の予約済み順番待ちリストが表示されています。スタッフはすべてのバーチャル面談予約を、待ち時間などの豊富な詳細情報とともに 1 か所で見ることができ、S M S リマインダーをここから送ることもできます。また、1 台のモバイル デバイスに、Teams 会議を使用して小売店とのバーチャル相談を行っているところが表示されています。

バーチャル面会の予約済み順番待ちリストの一般提供開始は 2022 年 1 月を予定しています。

加えて、働く人々が仕事の流れを保ちながら承認の更新にまつわるストレスを軽減できるように、"承認" アプリが直接、フロントライン ワーカーの業務プロセスに組み込まれます。これで、基幹業務における承認の管理と申請を Power Apps component framework (PCF) コントロールを使用して行うことに加えて、必須コメントなどの詳細情報やグループ承認も要求できるようになり、承認と、承認を受けて進むプロセスがスムーズになります。

1 台のタブレットに、基幹業務用 Power App に統合された

承認時の必須コメント機能の一般提供開始は今月、PCF コントロールとグループ承認の一般提供開始は 2022 年 2 月を予定しています。

最後に、Microsoft の ID (アイデンティティ) とエンドポイントの管理ソリューションのスイートは、現場の最前線でのデバイス共有から生じるストレスの解消に役立つ可能性があります。行方不明になったデバイスを、Microsoft エンドポイント マネージャーで GPS 対応マップを使用して見つけることに加えて、IT 担当者の操作で音声通知をトリガーする機能を間もなく利用できるようになります。これで、フロントライン ワーカーがデバイスをどこかに置き忘れても、発見しやすくなります。さらに、デバイスが Microsoft Azure Active Directory (Azure AD) を通して共有デバイス モードに登録されていれば、すべてのアプリケーション (Teams と Managed Home Screen、およびその他多数のサポート対象アプリケーション、たとえば Workday) からのサインアウトを簡単に、Android デバイスでのタップ 1 回で完了できるので、これで次の従業員に渡す準備が整い、コンプライアンスも維持できます。

2. トレーニングを優先事項とし、モダン化する

テクノロジには仕事の毎日をより良いものにしてくれる力があるという楽観論がフロントライン ワーカーの間で高まっていることがデータから明らかですが、調査対象者の 50% 以上が、自分の会社は仕事を効果的に進めるためのトレーニングを実施していないと回答しています。フロントライン ワーカーはトレーニングに意欲的であるため、会社側はトレーニング活動を優先事項として組織内の全員が確実にアクセスできるようにする必要があります。チームに加わった新メンバーのオンボーディング用ツールは、フロントライン ワーカーの職場におけるストレス軽減に役立つ重要なテクノロジのランキングで第 2 位となっていることを見ても、このことは人材配置の変動が続くなかで特に重要です。

Microsoft Viva ラーニングを利用すると、現場の最前線で働く従業員も学習コンテンツの発見、アクセス、共有、追跡を直接 Teams からできるようになります。会社側が従業員全員に常に最新の知識を提供するとともに、新しい従業員に対するトレーニング、ポリシー、一般的学習のオンボーディングを短期間で完了できるように、最新のラーニング管理システム (LMS) と統合されています。LMS の割り当て機能で、従業員に必要なトレーニングと学習を割り当てることができます。SAP SuccessFactors、Cornerstone OnDemand、Saba Cloud などのパートナー ソリューションからのコンテンツを選ぶことができ、従業員は割り当てられた学習コンテンツにどのデバイスからでも、Teams を通してアクセスできます。

1 台のタブレットに Viva ラーニングのホーム画面が表示され、2 台のモバイル デバイスにモバイル版の “自分に割り当て済み” 画面と、割り当てられた学習をクリックして詳細情報に進んだ状態が表示されています。

ラーニング管理システム割り当て機能の一般提供開始は 2022 年 1 月を予定しています。

さらに、新たにパートナーシップを開始したラーニング プロバイダー EdCastOpenSesame からも、既存のパートナーである Go1 や Coursera とともに、現場の最前線向けに広く深く学べるコンテンツが提供されます。この充実したパートナー コンテンツ ライブラリに加えて、組織が独自に作成した学習コンテンツを SharePoint 統合を通して提供することもでき、フロントライン ワーカーのトレーニングとアップスキルに役立ちます。学習者は自分に関係する学習コンテンツにモバイル、タブレット、デスクトップのどれでもアクセスできます。

2 台のタブレットに Viva ラーニングが表示され、コンテンツ プロバイダー Ed Cast と Open Sesame にフォーカスが置かれています。

EdCast の一般提供開始は 2022 年 1 月、OpenSesame の一般提供開始は 2022 年 2 月を予定しています。

“引き続き Microsoft とのパートナーシップを通して Viva ラーニングの価値を拡大できることを嬉しく思います。EdCast のスキリング スマートカード、パスウェイ、ジャーニーのすべてを、共有し、ブックマークし、組織の幅広い学習ジャーニーに組み込んでいただくことができます。”—EdCast CEO Karl Mehta 氏

“当社と Microsoft Viva ラーニングとのパートナーシップによって、企業はどの学習者にも最適なコースのリストを用意できます。しかも、それぞれが仕事の流れの中で学ぶことができます。”—OpenSesame CEO 兼共同創業者 Don Spear 氏

3. 現場の最前線を排除しない企業文化を作る

しっかりとした文化があるかどうかが、成功する企業とそれ以外との分岐点となることもあります。このことが影響するのは業績だけでなく、組織が優秀な人材を集めて定着させ、動機付けることができるかどうかにも及びます。しかし、企業文化は現場の最前線まで自然に浸透しているとはいえません。現場の最前線で働く人々は、経営陣との間に文化とコミュニケーションの断絶があると述べています。フロントライン マネージャーの 68% は経営陣が職場文化の構築を優先していないと回答し、フロントライン ワーカーの 63% は経営陣からのメッセージが届いていないことが多いと回答しています。

Microsoft Viva コネクションのようなテクノロジは、このような文化とコミュニケーションのギャップを橋渡しするうえで重要な役割を果たせる可能性があります。経営陣がメッセージ、会社の最新情報、現場の最前線への称賛を発信できるようになり、フロントライン ワーカー側も意見やアイデアを経営陣に伝えることができるようになります。このたび、新たに Viva コネクションの戦略的パートナーとなった Workday および Espressive との統合を通して、働く人々が会社の重要なリソースとアクションに 1 つの場所で簡単にアクセスできるようになりました。

1 台のモバイル デバイスに Viva コネクションの画面が表示され、Workday と Espressive Barista の新しいパートナー ダッシュボード カードを示しています。

Viva コネクションでの Espressive の提供開始は 2 月、Workday カードの提供開始は 2022 年中を予定しています。

Microsoft と Workday 双方をご利用のお客様は、Workday のパワーを直接 Viva コネクションの中で利用して従業員のエクスペリエンスをさらに高めることができます。具体的には、毎日の仕事の中で Workday のインサイトとアクションに、Teams から離れることなくアクセスできます。Workday には、従業員セルフサービス機能としてインテリジェントな出退勤時刻記録などがあり、たとえば、フロントライン ワーカーが休憩時間の終了間近に通知を受け取り、業務再開時刻をタップ 1 回で記録することが、自分のモバイル デバイスからできるようになります。

Espressive は、従業員それぞれに合わせたセルフ ヘルプを 1 つの場所で提供します。9 言語と 14 のエンタープライズ部門 (IT、人事、給与など) に対応しており、Viva コネクションを通してアクセスできます。処理待ちのリクエストや問題がダッシュボードのカードとして表示されます。Espressive Barista は AI ベースのバーチャル サポート エージェント (VSA) で、従業員からの質問、問題、要望の解決の自動化に役立ちます。パーソナライズされた応答が返されるので、従業員は求めていた回答が得られます。

今後の展望

現場の最前線 (フロントライン) が強力であることは、より良い業績につながります。チームのスケジューリングとオンボーディングから、タスクの自動化と面会予約の管理まで、現場の最前線で働く人々の日常業務の負荷は、適切なテクノロジ ツールを用意するとともに強力な企業文化を作ることによって軽減できる可能性があります。適切なソリューションは、フロントライン ワーカーの生産性を最大化するだけでなく、一貫した文化観も可能にします。このことは、定着率の向上とより良い顧客対応、そして会社の使命に沿った働き方につながります。

Microsoft は、業界をリードする各社とともにこれからも、現場の最前線のストレスを軽減し、トレーニングをモダン化し、働く人々の文化を再構築するのに役立つソリューションのイノベーションを続けていきます。フロントライン ワーカーをエンパワーメントする機会に関するその他の調査結果については、Work Trend Index スペシャル レポートの全文をご覧ください。また、こちらのルックブックと新着の Mechanics の動画では、現場の最前線の力となる Microsoft 365 の新たな製品イノベーションを詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。